...その一方に偏倚(へんい)するのを最上の生活と決めこむような禁慾主義の義務律法はそこに胚胎(はいたい)されるのではないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...偏倚(へんき)の美乃至(ないし)パテチックの美は斯の如き形而上的の永遠を持たない...
高村光太郎 「永遠の感覚」
...勿論多少の自然的偏倚は示しながらも統計的に一樣な毎秒平均足音數を示してゐることである...
寺田寅彦 「伊香保」
...私の生活はあつちこつちへ偏倚し...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...謂はばそれは優れた天才肌の偏倚的な芸術家と...
徳田秋聲 「和解」
...自然は偏倚(へんい)を容(ゆる)さぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ジャーナリズムがジャーナリズム・プロパーに偏倚するに従って...
戸坂潤 「思想としての文学」
...日本主義こそ中道を行く偏倚せざる国家理論だということだけだ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...その偏倚は、今や極点に達してゐる...
中原中也 「生と歌」
...その偏倚が消えて平滑な曲線が得られはしないかというのは...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...それに個々の生物の個性が入るために偏倚が加わっているだけのことだろうと思ってとりかかったのであるが...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...平均をとって偏倚を消してしまうと...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...邦国統治の権国会に偏倚して宰相は...
蜷川新 「天皇」
...つぎつぎに偏倚な城をつくったりすることで...
久生十蘭 「泡沫の記」
...この年の中頃から為替(かわせ)は不幸な偏倚をつづけていた...
久生十蘭 「黒い手帳」
...半宵偏倚南軒柱...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...毎(つね)に均整に注意し偏倚(へんい)を避けていた...
柳田国男 「木綿以前の事」
...偶然的なかつ一時的な偏倚をすることを否定するものと...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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