...「たまるもんかお前、あの大正六七年の好景気時代に、そら貸す、そら貸すで、碌な抵当もとらずどしどし有志らへ貸し出してよ、それであの瓦落(がら)くって土地は値下り、米も値下り、繭も何もかも八割九割も下っちまったんだもの――いや、そればかりならまだいいんだよ、瘤らはじめ、無抵当の信用貸ちうのが幾口何万あるか分らねえんだから……役場員だ、村の有志だっちう人間には、全くひでえ奴らよ、判一つで何百何千でも貸したっちうんだから……無論(むろん)そいつがみんな、いまもってこげついているってわけさ...
犬田卯 「瘤」
...土地は値下りの絶頂で...
犬田卯 「瘤」
...株の値下りで殆(ほとん)ど無価値に等しくなったと云うことなので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...此頃は値下りだが...
種田山頭火 「一草庵日記」
...ずっと生糸の値下りから各町村でも...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...真珠貝の値下りを汐に内地へ帰った...
久生十蘭 「三界万霊塔」
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