...倚(よ)りかかるように前扉に凭(も)たれている様子が彼には笑止に見えた...
有島武郎 「卑怯者」
...駅夫室の入口に倚懸(よりかか)つたり...
石川啄木 「鳥影」
...僕らの倚る高どのの欄干(らんかん)がある...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...その倚(よ)る所は蜘蛛網(くものす)の如し」とありて神を忘れて他の物に頼ることの空しきを述べている...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...壁に倚(よ)りかからねばならなかった...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...腰掛の倚木(よりき)の上に飛び上がり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかしわたくしは橋の欄干に身を倚(よ)せ...
永井荷風 「放水路」
...此で口が聞ければたいしたもんだが惜しいことに…………」女房は椅子に倚つた客の髮を綺麗に拭き取りながらかういつた...
長塚節 「おふさ」
...偏倚が大き過ぎるので何も云えそうもない...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...「窓辺(まどべ)に倚(よ)りて」のゲルハルトを採るのは...
野村胡堂 「楽聖物語」
...悲しみも羊の肝の羹も昨日となれば異ならぬかな(草の夢)ただ一人柱に倚れば我家も御堂の如し春の黄昏これは歌集大正七年出版の「火の鳥」にある作である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...窓に倚つてゐることもある...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...舷側に倚って覗くと...
牧逸馬 「運命のSOS」
...軍服ぬぎて盥卓(たらいづくえ)のそばへ倚(よ)らんとせしメエルハイムは...
森鴎外 「文づかい」
...余は覚えず側(そば)に倚り...
森鴎外 「舞姫」
...空中の楼閣に倚るの想ひを為さしめるのが奇勝たる所以である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...それへ倚(よ)せていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...自分も一脚の机に倚(よ)り...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索