...その一方に偏倚(へんい)するのを最上の生活と決めこむような禁慾主義の義務律法はそこに胚胎(はいたい)されるのではないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...唇をふるはせつゝも物に倚りながら身を起し居つた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...安楽椅子(あんらくいす)に倚(よ)り罹(かゝ)り...
内村鑑三 「問答二三」
...机に倚(よ)りかかっていたらしい天願氏が...
梅崎春生 「風宴」
...錦鱗(きんりん)湖萍(うきぐさ)の温泉(ゆ)の湧く岸に倚(よ)り茂る自動車を下(おり)る夏草(なつぐさ)に油蝉(あぶらぜみ)なく山路(やまじ)かな旱(ひでり)大夕立来(く)るらし由布(ゆふ)の掻き曇り別府の地下は泉脈が縦横にあって...
高浜虚子 「別府温泉」
...小翠は几(つくえ)に倚(よ)っかかりながら帯を弄(いじ)って...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「小翠」
...余は呼吸のつまらぬやうに兩腕を額で組んで後へ倚りかゝるやうにして水勢に抵抗する...
長塚節 「松蟲草」
...自分は椅子に倚(よ)りながら...
夏目漱石 「行人」
...火鉢(ひばち)に倚(よ)りながら...
夏目漱石 「門」
...冬(ふゆ)でも着物(きもの)の儘(まゝ)壁(かべ)に倚(もた)れて坐睡(ざすゐ)する丈(だけ)だと云(い)つた...
夏目漱石 「門」
...わずらわしげに悩みながら窓台に倚(よ)りかかっていた...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...この壁に倚つて凡てが話されたからである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...壁に倚りゐて傍(かたはら)を見れば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...まだ維廉(ヰルヘルム)一世の街に臨める(まど)に倚り玉ふ頃なりければ...
森鴎外 「舞姫」
...信じて彼に倚りかゝるやうにした...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼はしょんぼりと塀に倚りかかって...
吉川英治 「剣難女難」
...一刻(とき)もその床几に倚(よ)っていなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...椅子(いす)に倚(よ)るやいな...
吉川英治 「新・水滸伝」
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