...実世間により多く触れて多大の経験をお持ちになつた氏の立派な技倆をはやく見たいものだと思ひます...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年二月号)」
...私は何度も技倆の全部をだしてやってくれることを望んだ...
上田広 「指導物語」
...M医師は医術上の技倆が劣っていた為にしくじったのですから...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...作者の主観は隠そうとしても隠すことが出来ないのであって客観写生の技倆が進むにつれて主観が頭を擡(もた)げて来る...
高浜虚子 「俳句への道」
...その外観察の結果を整理する技倆も養い...
寺田寅彦 「物理学実験の教授について」
...鰻取りの技倆(ぎりょう)と...
徳永直 「あまり者」
...未だ政治家の任務に付て自己の伎倆を信ずる人に非ず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...友だちを皆引き止めてその皆を満足させるの技倆(ぎりょう)をもっていなければならない者に必要な一種の技術に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...文を遣る技倆の點や...
夏目漱石 「「土」に就て」
...こんな技倆があろうとも思わなかった南老人は...
野村胡堂 「古銭の謎」
...力(りき)ちやんと違(ちが)つて私(わた)しには技倆(うで)が無(な)いからね...
樋口一葉 「にごりえ」
...蕉門も檀林も其嵐派(きらんは)も支麦派も用いるに難(かた)んじたる極端の俗語を取って平気に俳句中に入したる蕪村の技倆(ぎりょう)は実に測るべからざるものあり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...また以てその技倆を窺(うかが)ふに足る...
正岡子規 「俳人蕪村」
...大幅の伎倆を知ることが出来ぬのは残念である...
正岡子規 「病牀六尺」
...しかしそのづばぬけた「技倆(うで)」の冴えには敬服してゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...この黄身を抜かないように料理するのが一つの技倆で...
村井弦斎 「食道楽」
...誰が何料理を得意にすると各々(おのおの)独得の技倆(ぎりょう)を持っていながら更(さ)らに世人へは知れていません...
村井弦斎 「食道楽」
...わたしは技倆を授けて遣ることは出来ませんが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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