...偶(たま)/\律儀真方(まつぱう)の人なら神野霜兵衛さんのやうな世間に技倆(はたらき)の無い好人物(おこゝろよし)だ子...
内田魯庵 「犬物語」
...数千ページの大冊の中にその矛盾背理の理論をごまかし去るの技倆を持たない...
大杉栄 「獄中消息」
...伎倆(ぎりょう)一杯に丹精を擬らし...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...彫刻という美術上の技倆の上には別に大した関係のないことで選んだモデルをモデルとしてやった結果が優秀と認める以上...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...三つの奇遇をわざとらしからぬやうに表現する技倆もなければ...
田山録弥 「自他の融合」
...体に楽をしていて金を儲(も)ける伎倆(はたらき)はねえんだから...
徳田秋声 「新世帯」
...用を弁ずるだけの伎倆(はたらき)はある...
徳田秋声 「爛」
...閣下はたとひ政治家たるの技倆なきも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...寧ろ技倆の称すべきなき一老漢を以て内務の難局に膺る其の或は久しからずして一敗するに至るも亦未だ知る可からず然れども彼れは既に根拠を自由党に有するに於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...グラチアはそのわずかな技倆(ぎりょう)をも失ってしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人の技倆を、それだけに見るほど、この人の修養もそれだけに深いものと思えば、奥床(おくゆか)しい思いがする...
中里介山 「大菩薩峠」
...その技倆から言えば...
中里介山 「大菩薩峠」
...これを全能的伎倆と云っても差(さ)し支(つか)えないだろう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その寄宿学校を経営してござる女の校長先生の常識と伎倆によって左右されるものである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...時としては壮大なる題目を把(とっ)て比較的繊細に作するの技倆(ぎりょう)もなかるべからず...
正岡子規 「俳諧大要」
...今日ある所の名誉は実際の技倆に比して果して相当な名誉であるであらう歟(か)...
正岡子規 「病牀六尺」
...「綺倆(きりょう)千両...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...然し、そちの技倆も、加藤殿のようなお目利(めきき)が、認めて下さるように迄なって、わしも共々欣ばしい』『皆、御高恩による所でございます』『何の、そちの天質と努力のいたす所...
吉川英治 「山浦清麿」
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