...「あれが噂(うわさ)に承(うけたまわ)った南蛮(なんばん)の如来(にょらい)でございますか?倅(せがれ)の命さえ助かりますれば...
芥川龍之介 「おしの」
...まして彼女は自分の倅に逢うことも出来なくなるのだ...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...お前さんとこの倅(せがれ)が街道で死にかかっていたから...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...仙波殿は、牧を討つため斬死なされた方ではないか」「はい」「その娘御が、濫りに、男と契るでさえ、不孝、不義であるに、人もあろうに、父の仇敵の倅と、契って、それを、恥とは、心得ぬか」綱手は、それで、地獄のような呵責(かしゃく)を感じているのであった...
直木三十五 「南国太平記」
...成る程、不思議なこともあるが、牧の倅と申せば、斉興公の御一行に入っている筈であるが――」「何うして? 七瀬殿が、又、牧の手にかかったのか――」「詳しいことは判らんが、噂に聞くと、彼奴、お由羅派として、四ツ本喜十郎の許におったらしい...
直木三十五 「南国太平記」
...一番困じ果てたのは倅の伊太郎と手代の与三郎でした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...雲龍斎又六に横取りされたのでございます」「やはりそうか」「又六は倅の銘を削った上...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...石井平四郎の倅を皮切りに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...せめて倅の首でも持って来やがれ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの倅の仲吉に決っています」「それほど解っているなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅が見付かったそうじゃありませんか」「え...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅の清次郎はお夏の側にへばり付いて半刻も眼を離さないから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お前の倅の幾松と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とんでもないことでございます」継母のお嘉代はひたむきに倅の文次郎の寃(むじつ)を訴えるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わたくしは不断倅共の中の一番若い奴を連れて...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...「また倅(せがれ)の道楽には親の意見あり...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...当時籍を瑞仙の門人中に列してゐた上野国上久方村(かみひさかたむら)医師村岡善左衛門常信(つねのぶ)倅善次郎が養子にせられた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...倅英太郎は首領の立てゝゐる塾で...
森鴎外 「大塩平八郎」
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