...見合わせてそのじいの倅の友だちの叔父の神田の猿楽町(さるがくちょう)に錠前なおしの家へどうとかしたとか...
芥川龍之介 「水の三日」
...近藤勇(いさみ)の倅(せがれ)...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...己の倅を大阪の邸にあずけておるが...
直木三十五 「南国太平記」
...ふと老人は鶴子が操(みさお)を破ったのはあるいは放蕩無頼(ほうとうぶらい)な倅に欺(あざむ)かれたためではないかという気がした...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...倅(せがれ)が晩婚なので小供は六つと四つである...
夏目漱石 「永日小品」
...四万石の大名の倅にこう存分の事をいうのでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...五番目は熊井町の船頭の倅...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「親旦那は倅を殺すわけはないし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅に日本一の嫁を貰うんだからと嫌がる大黒屋へ人橋架(か)けて口説き落し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅をここから引出したい様子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分に聴いて貰いたいことがあるんだが――」「…………」「実は倅が梅吉に身代りを頼んで囲いを抜け出すのは昨夜(ゆうべ)に限ったことじゃないそうで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...七つになる倅のために...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...偽善者の倅! 狐野郎……空呆けるない...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...パン、ユターピ、カライアーピ、バツカス、エラトー、ユレーニア等々と、山羊脚を真似、葡萄の房をかむり、狐頭(ガラドウ)や犬頭(アヌビス)、星の倅、恋の使者、雲の精と、とりどりの扮装を擬した行列が、手に手に携へた羊角型の酒壺(ジーランド)を喇叭と鳴し喇叭呑みの乱痴気騒ぎに涌き立つて、バラルダの音に足並みそろへるおもむきは、恰も私達の天狗の太鼓隊につゞいて、おかめ、ひよつとこ、翁、鬚武者、狐、しほふき等々の唐松村の仮面劇連が辻々の振舞酒に烏頂天となつて、早くも神楽の振りごとの身振り面白く繰り込んで来る有様をそのまゝ髣髴とさせる概であつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...「小倅(こせがれ)...
森鴎外 「阿部一族」
...倅の帰って来る時期も近づいているので...
森鴎外 「かのように」
...秋元家の用人の倅(せがれ)田中鉄之助に嫁して不縁になり...
森鴎外 「安井夫人」
...これは「ゼリイ」に乘り組んでゐて難破した倅ピェル・ガオのために‥‥』やがて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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