...お住(すみ)の倅(せがれ)に死別れたのは茶摘みのはじまる時候だつた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...倅を殺さずに置いた方が好いか...
芥川龍之介 「報恩記」
...私の祖父が余り気立がいいので見込んで倅(せがれ)の嫁にと話をし...
高村光太郎 「回想録」
...牧仲太郎の倅として...
直木三十五 「南国太平記」
...倅三之丞も申開きが付きません...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...倅の名前が世間に出るのですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...次は田町の鋳掛屋(いかけや)の倅藤吉(とうきち)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅は道楽者で、始末の悪い人間には違いないが、その倅の背後(うしろ)で、糸を引いていた人間のあることに、私は気が付かなかったのです」三郎兵衛の述懐は、次第に父親らしい愚痴になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...弥惣の倅の弥三郎が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この十日には親類が顔を寄せて岡崎屋の跡取りを決めることになっているそうで――」「跡取りは勘当されて潮来(いたこ)にいる倅(せがれ)の安之助でなきゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その守随彦太郎の倅(せがれ)――実は彦太郎の甥(おい)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「だって松さんの倅(せがれ)の――丑松(うしまつ)とか言ったね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十三になる倅の丑松は泣いているではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...主人村越峰右衛門は、掛り合いを面倒と見たか、姿を隠して取合わず、倅の久太郎と、掛り人の喜八郎、下男の勇太郎は、遠くの方から眼を光らせて居りますが、殺気立った富山七之助の袂(たもと)を控えて文句をつける気力もなく、みすみす、この殺人者を遁(のが)してやる外はありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅久太郎夫婦が死骸の世話をしておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私より五ツ六ツ年上の清の倅は...
牧野信一 「毒気」
...筆者は自分と倅英太郎以下の血族との赦免(しやめん)を願ひたい...
森鴎外 「大塩平八郎」
...そうして見ると、倅の謂(い)う、信仰がなくて、宗教の必要だけを認めると云う人の部類に、自分は這入っているものと見える...
森鴎外 「かのように」
便利!手書き漢字入力検索