...内田百間氏の作品は多少俳味を交へたれども...
芥川龍之介 「内田百間氏」
...もうすこし仙骨というか俳味というか...
石川欣一 「可愛い山」
...殺風景だと思っていたコンクリートの倉庫も見慣れると賤(しず)が伏屋(ふせや)とはまたちがった詩趣や俳味も見いだされる...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...実に無意味なおもちゃであるがしかしハーモニカやピッコロにはない俳味といったようなものがあり...
寺田寅彦 「自由画稿」
...わが晩餐の膳をして常に詩趣俳味に富ましめたる敢て喋々(ちょうちょう)の弁を要せず...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...西洋の旦那」が持っているユーモアと俳味(はいみ)とが...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...―明治四四、六、一『俳味』―...
夏目漱石 「西洋にはない」
...従がって所謂(いわゆる)俳味なるものが流露して小説の上にあらわれたのが一見禅味から来た余裕と一致して...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...そこで虚子先生大(おおい)に俳味に感動したと云う思い入れが五十秒ばかりあって...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...俳味は一種の黙約された詩趣であって...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...実にこの俳味と称する霊魂が...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...日本人にはとつては特殊の俳味的詩趣をもつて居り...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...しばしば「俳味」と称してゐる者の一種であるが...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...俳味が強く匂ひ出してるわけである...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...此の夏は福島のふるさとに帰って祖母達と久しぶりで此の俳味に富んだ何とも云われぬ古風な懐しい情景に親しむことができました...
宮本百合子 「蚊遣り」
...もとより地震は俳味に通ずる事の少ないために顧みられなかったと言えばそれまでである...
武者金吉 「地震なまず」
...俳味に遠い不快をおぼえたらしく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...河豚屋のかんばんが食通横丁に俳味を灯す...
吉川英治 「河豚」
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