...三分の間話して私は俥に乘つた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...到底歩行にも堪えないので俥に乗せられた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...またゆっくり俥を歩ませながら...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...有松氏は俥の蹴込(けこみ)に片足をかけた...
薄田泣菫 「茶話」
...七条の停車場(すてーしょん)から乗った俥(くるま)は三条の万屋の前に梶棒を下ろした...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...田原さんは俥に乗って広田の飯田町の住居を訪れた...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...それでとにかく俥を雇って...
夏目漱石 「行人」
...二人の俥は狭い横町を曲って...
夏目漱石 「行人」
...すぐだから」彼女は自分の俥だけを元へ返した...
夏目漱石 「明暗」
...母なる人の姿も俥(くるま)の影も跡が見えなかった...
新渡戸稲造 「自警録」
...俥の上の美しい人が鄭寧(ていねい)な会釈(えしゃく)をして通りすぎたので...
長谷川時雨 「大塚楠緒子」
...俥をおりると祖母は家の者に言った...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...俥を連ねて清友亭へ駆けつけた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...父がそれ等の乱暴な俥夫の横理屈に対して飽(あく)まで自分を抑(おさ)へて彼等の機嫌を取つてゐるのを私は屡々(しば/\)見た...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...馬道(うまみち)あたりの俥屋が...
夢野久作 「暗黒公使」
...ここでいいのよ」お光さんは俥の上で腰を浮かした...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...俥の幌(ほろ)をかぶって...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...霧の海の底を先生の俥は下つて行くのであつた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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