...轅の折れた其俥は...
石川啄木 「赤痢」
...沼南は夫人と共に一つ俥に同乗して葬列に加わっていた...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...只(と)ある伯爵家の裏門の前で俥を停めさせて...
内田魯庵 「四十年前」
...一同は俥をつらねて先ず足利町を西へぬけて三重村の五十部へ来た...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...古河から俥でアクト新田渡船場へでて思川を渡った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その翌る日も狩野氏は俥に乗つて...
薄田泣菫 「茶話」
...それを木戸まで俥屋に渡しに持つて行きます...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...湯島の伯母の家を俥で出て行った...
徳田秋声 「足迹」
...早速俥は引き返された...
富田木歩 「小さな旅」
...重大な用件で小石川の奥から三田まで俥を走らせるのに...
豊島与志雄 「子を奪う」
...田原さんは俥に乗って広田の飯田町の住居を訪れた...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...路ばたの垣根のあひだから美しい弁慶蟹が出てきては俥の響に驚いて逃げこむのをほしいと思つて横目にみながらゆくうちに海岸へでた...
中勘助 「銀の匙」
...俥宿と馬舎との間の地処にかこいをして草を植え...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...十栄一は翌朝俥(くるま)で村を離れると...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...母衣(ほろ)に触った竹の枝からトトトト雪が俥の通った後へ落ちる...
宮本百合子 「明るい海浜」
...いつも俥夫が二人がかりで送り迎えをする友子さんは...
宮本百合子 「いとこ同志」
...そこへ別な俥から下りた父が立っていたので...
宮本百合子 「カメラの焦点」
...俥(くるま)に乗っているのもらくではなかった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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