...往年の丸丸と肥つてゐた俤(おもかげ)は...
芥川龍之介 「酒虫」
...この向島も全く昔の俤(おもかげ)は失われて...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...何處か俤の肖通(にかよ)つた四十許りの品の良い女の顏が寫されてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...その俤(おもかげ)が映りそう...
泉鏡花 「縁結び」
...若様と奥様の血の俤(おもかげ)でございます...
泉鏡花 「海神別荘」
...しょんぼりと悄(しお)れていた不憫(ふびん)な民さんの俤(おもかげ)...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...どうか私達を守って下さい」私は心の中の懐しい彼女の俤(おもかげ)に祈った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...徒らに美人の俤偲ばしむるのみなるべし...
大町桂月 「冬の榛名山」
...女の俤(おもかげ)が忘られないので...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...母者人の俤を想い出そうと努めて見るが...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...その名ざされた博士の俤(おもかげ)さえ思い出してはいなかった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...若くは責任を全く負擔する古代の宰相の俤はなくなり...
内藤湖南 「概括的唐宋時代觀」
...紅葉(もみぢ)を俤(おもかげ)にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう先刻までの俤(おもかげ)もありません...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...シャヴァンヌの絵のようなあのひとの俤だったのです」森川夫人は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...俤(おもかげ)は胸にとまって忘れたこともなかったが...
久生十蘭 「鈴木主水」
...朝鮮の俤(おもかげ)が乏しくなった...
柳宗悦 「全羅紀行」
...物心のつく頃から彼女の俤(おもかげ)を追っていた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
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