...長き病に俤(おもかげ)窶(やつ)れて...
泉鏡花 「海城発電」
...笑へば小兒をして慕ひなつかしむる快男子の俤...
大町桂月 「妙義山の五日」
...昔日の俤(おもかげ)はありますまい...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私がそのニールゼン嬢の俤(おもかげ)を思い出したと言ったならば...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...女の俤(おもかげ)が忘られないので...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...苛ら苛らしながら日向ぼっこをしてる近代人の俤がある...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...普通人に異つた枯燥した俤がないではないがおふさに心配は見えない...
長塚節 「おふさ」
...彼等(かれら)は殆(ほとん)ど冷却(れいきやく)しようとしつゝある肉體(にくたい)の孰(いづ)れの部分(ぶぶん)かに失(うしな)はれんとしてほつちりと其(その)俤(おもかげ)を止(と)めて居(ゐ)た青春(せいしゆん)の血液(けつえき)の一滴(てき)が俄(にはか)に沸(わ)いて彼等(かれら)の全體(ぜんたい)を支配(しはい)し且(かつ)活動(くわつどう)せしめたかと思(おも)ふやうに...
長塚節 「土」
...吹込みは古いがさすがに超大家の俤(おもかげ)がある(ビクターVD八)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...投機をやっている頃の俤(おもかげ)は全く消えて...
長谷川伸 「奇術考案業」
...その俤も充分に残っている...
久生十蘭 「湖畔」
...あの辺から玉川へかけては昔の武蔵野の俤が残つてゐて野馬でも遊んでゐさうな心持がしてゐた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...いまだに朝霧の中で見かけた例の三人の姿が俤に立つやうな思ひで...
堀辰雄 「牧歌」
...却って軽蔑を押えられない木部の俤を伝えている定子に対する自身の女として堪え難い苦しい感情...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...いくらかヤスに似た俤のあるいい子です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お母さんはお母さんでやはり俤をそこに認めて一層可愛くお思いになるのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それほど品物には古作品の俤(おもかげ)が残る...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...忍藻の眼の中には三郎の俤(おもかげ)が第一にあらわれて次に父親の姿があらわれて来る...
山田美妙 「武蔵野」
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