...從つて現實の世界具象の世界は抽象作用を俟つて始めて吾人の頭腦中に成立するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ひとえに女王の御意に俟つという条件だった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...理想は教育を俟つて実現することを考へれば...
時枝誠記 「国語学と国語教育」
...かくて歴史の現実性――歴史的現段階性――は或る意味に於ける実践概念を俟つのでなければ誤りであるであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...気体元素の光波吸収の理論と合成光線の分光の理論とに俟つことは云うまでもないが...
戸坂潤 「科学論」
...必ずしも歴史的事実の一つ一つの実証を改めて俟つことなしにも...
戸坂潤 「技術的精神とは何か」
...夫は人間の知識や技術を俟つことなくしては発達し得よう筈がないではないか...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...軍部団の強力なもう一つの「常識」に俟つのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...文学上のむずかしい理論を俟つ必要はない...
豊島与志雄 「表現論随筆」
...けれどもその金文と遺物の研究とが相俟つて...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...そは明朝に至るを俟つて品川湾頭に飛ぶ白鴎に問ふ可し十二月十二日...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...實在的他者との共同に俟つほかはない...
波多野精一 「時と永遠」
...何ごとによつても理由づけられることなく又何ものの媒介をも俟つことなしに...
波多野精一 「時と永遠」
...祖先に俟つ! といふほどのつもりで...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...両々相俟つてその艶を...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...それの存在論的規定は存在的規定を俟つて初めて現實的となる...
三木清 「歴史哲學」
...迦葉これに籠って仏衣を守り弥勒を俟つという(『大清一統志』三一九)...
南方熊楠 「十二支考」
...ジョン・ソーントンを俟つて初めて喚起されたのである...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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