...せめて妻を劬り慰めるだけの隔りを保つて行くのが道ではないであらうか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...それが自己の強烈生活を保つ所以(ゆゑん)である...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼らを満足させ平和に保つためには...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...しかして自分の品格を保つ上からも...
辰野隆 「芸術統制是非」
...細かに考ふれば真に公平を保つは容易のことに非(あら)ず...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...恐らく身の安全を保つことは出来まい...
永井壮吉 「冬日の窓」
...活動写真に関係する男女の芸人に対しても今日の僕はさして嫌悪の情を催さず儼然として局外中立の態度を保つことができるようになっている...
永井荷風 「申訳」
...平衡(へいこう)を保つために...
夏目漱石 「草枕」
...生命財産の安全を保つて居るけれど...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...不結果な婚姻(こんいん)の罪をなんで着せたか――明治中期は封建的遺産を多分に保つてゐた...
長谷川時雨 「「郭子儀」異變」
...主體性を保つ以上主體は自己主張をもつて再び他者に衝突し更に新たに無におとしいれられて結局壞滅にをはるのではなからうか...
波多野精一 「時と永遠」
...面目を保つ方法がない...
久生十蘭 「湖畔」
...記憶の特有の性質にその観念の元の順序や位置を保つことがあるのに対して...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...アデェルがいつも云ふ『面目を保つ爲めに』(“Pour me donner une contenance”)の下に私を慰める爲めに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...不貞な表情を保つた...
牧野信一 「素書」
...その徳と智慧とを完全に保つ事は六ヶ敷いであろう...
松永延造 「職工と微笑」
...彼は此の場合自分の自尊心を保つためにその手紙をそのままにしておく方が一番自分として助かるやうに思はれた...
横光利一 「悲しみの代價」
...健康を保つ原則ぢやあないかと思ふんです...
吉川英治 「折々の記」
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