...媚を先輩に呈することによつて僅にその存在を保つ「寄生蟲」と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...和作がこの最初の印象をそつくり保つには応(ふさ)はしい場所だつた...
犬養健 「朧夜」
...なにごとも権衡平均を保つように傾くが...
井上円了 「おばけの正体」
...弱い身体は自己の独立を保つことが出来ぬのみならず...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...節度を保つこと...
太宰治 「もの思う葦」
...凄し『恐怖』は其中に至重の位保つめり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...特殊科学としての自然科学の限界の外に自己の領野を保つことに成功したのである...
戸坂潤 「科学方法論」
...ロベスピエールのごとき者でさえ長く地位を保つことはできない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こういうことになっている――相当の体面を保つだけの手当は...
中里介山 「大菩薩峠」
...客體的存在を保つものとして純粹の他者ではなく...
波多野精一 「時と永遠」
...此条々を能く教ふること一生身を保つ宝なるべし...
福沢諭吉 「女大学評論」
...秩序を保つて書き進めるといふことは丸切り出来なかつた...
北條民雄 「発病した頃」
...見得を持つて律儀を保つてゐた僕の胸に...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...私はせめて言葉のとゞく位ひの間隔は保つてゐたいと努めながら...
牧野信一 「剥製」
...勿論坊さんの身分として殺生戒を保つて居るのは誠に殊勝(しゅしょう)なことでそれはさもあるべき事と思ふけれど...
正岡子規 「病牀六尺」
...冬は体温を保つために塩分を要す...
村井弦斎 「食道楽」
...「いかにして身を保つか」また...
吉川英治 「私本太平記」
...さはあれわが保つ宝石の尊さを知らぬ人は気の毒を通り越して悲惨である...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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