...俛首(うなだ)れて歩いて居たが...
石川啄木 「病院の窓」
...「焼いた?」「ええ」芳子は顔を俛(た)れた...
田山花袋 「蒲団」
...よもやお前に理(り)があるとは言うまいよ」お島は俛(うつむ)いたまま黙っていたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...俛(うつ)むいていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...その間も葉子は始終俛(うつむ)きがちな蒼白(あおじろ)い顔に...
徳田秋声 「仮装人物」
...俛(うつむ)き加減に腰かけていたものだったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...」爺さんは調子を少し落して俛(うつむ)いた...
徳田秋声 「躯」
...栗栖もそっと俛(うつ)むいて猪口(ちょく)を手にした...
徳田秋声 「縮図」
...黙って俛(うつむ)いていた...
徳田秋声 「縮図」
...黒い外套姿が少し前俛(まえこご)みになって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...どこで拾ったの」犬は神妙に首を俛(た)れております...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼(かれ)は俛(た)れ相(さう)に成(な)る首(くび)を起(おこ)して數々(しば/\)見(み)ることを反覆(くりかへ)した...
長塚節 「土」
...巫女(くちよせ)の婆(ばあ)さんは先刻(さつき)と同(おな)じく箱(はこ)へ肱(ひぢ)を突(つ)いて「能(よ)く喚(よ)び出(だ)してくれたぞよう……」と極(きま)つたやうな句(く)を反覆(くりかへ)しつゝまだ十分(ぶん)の意味(いみ)を成(な)さないのに勘次(かんじ)は整然(ちやん)と坐(すわ)つた膝(ひざ)へ兩手(りやうて)を棒(ぼう)のやうに突(つ)いてぐつたりと頭(かしら)を俛(た)れた...
長塚節 「土」
...お婆(ばあ)さん」爺(ぢい)さんは首(くび)を俛(たれ)て滅切(めつきり)靜(しづ)かになつていつた...
長塚節 「土」
...後(うしろ)の竹(たけ)の林(はやし)はべつたりと俛首(うなだ)れた...
長塚節 「土」
...我を護るつもりかと問うと首を俛(ふ)せてさようと言う態(てい)だった...
南方熊楠 「十二支考」
...貞婦烈女も賢妻良母も皆わけしらずのおぼことなって首を俛(た)るるであろう...
森鴎外 「細木香以」
...悄気(しょげ)たように俛首(うなだ)れて軽いタメ息を一つした...
夢野久作 「少女地獄」
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