...俛首(うなだ)れて歩いて居たが...
石川啄木 「病院の窓」
...俛首(うつむき)がちにてくてくと歩を運んで行つた...
田山録弥 「赤い鳥居」
...芳子もその傍(そば)に庇髪(ひさしがみ)を俛(た)れて談話を聞いていた...
田山花袋 「蒲団」
...旦那(だんな)が気がないから」作(さく)と云うその男は俛(うつむ)いたまま答えた...
徳田秋声 「あらくれ」
...これだけは私厭です」父親は黙って煙管を啣(くわ)えたまま俛(うつむ)いてしまったが...
徳田秋声 「あらくれ」
...よもやお前に理(り)があるとは言うまいよ」お島は俛(うつむ)いたまま黙っていたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...その間も葉子は始終俛(うつむ)きがちな蒼白(あおじろ)い顔に...
徳田秋声 「仮装人物」
...黙って俛(うつむ)いていた...
徳田秋声 「縮図」
...巡査(じゆんさ)が縁側(えんがは)の坐蒲團(ざぶとん)へ腰(こし)を掛(か)けた時(とき)勘次(かんじ)は籠(かご)を脊負(せお)つた儘(まゝ)首(くび)を俛(た)れて立(た)つた...
長塚節 「土」
...助(たす)かれるもんならわしもはあ……」と彼(かれ)はぐつたり首(くび)を俛(た)れた...
長塚節 「土」
...冷(つめ)たい卯平(うへい)はぐつたりと俛首(うなだ)れた儘(まゝ)である...
長塚節 「土」
...後(うしろ)の竹(たけ)の林(はやし)はべつたりと俛首(うなだ)れた...
長塚節 「土」
...紛糾(こぐら)かつた心(こゝろ)を持(も)つて彼(かれ)は少(すこ)し俛首(うなだ)れつつ歩(ある)いた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は依然(いぜん)として俛首(うなだ)れた儘(まゝ)遂(つひ)に隣(となり)の主人(しゆじん)の門(もん)を潜(くゞ)つた...
長塚節 「土」
...「さうでござんすね」勘次(かんじ)はぐつたりと俛首(うなだ)れて言辭(ことば)の尻(しり)が聞(き)きとれぬ程(ほど)であつた...
長塚節 「土」
...我を護るつもりかと問うと首を俛(ふ)せてさようと言う態(てい)だった...
南方熊楠 「十二支考」
...(男首を俛(た)れて辻馬車のたまりをさして行く...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「辻馬車」
...そうして心持ち俛首(うなだ)れながら若林博士の言葉に耳を傾けた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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