...世上の俗衆、むなしき歡樂をきはめむとするの餘り、終に盜心をおこし、盜心を起さずとも賄賂を取り、賄賂を取らずとも、種々不正の手段をめぐらして、不義の財を集め、而して良心の呵責の苦しきことを知らず...
大町桂月 「鹿島詣」
...俗衆の我欲がこの帽子を拵えて...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...その俗衆趣味は、ややもすればウェルテリズムの阿片(あへん)に酔う危険のあったその頃のわれわれ青年の眼を現実の俗世間に向けさせる効果があったかもしれない...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...輕佻な青年や俗衆の意に投ぜんとするといふ樣な不眞面目な風格もある樣に思ふ...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...又は輕佻で不眞面目な青年若くば俗衆の意に投ぜんとするといふ樣な陋劣な傾向が伴うて居ることも否定すべからざる事實であらうと思ふ...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...それら俗衆的使徒の数名に会った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...俗衆の歡迎ほど製作の品位を傷けるものはない...
永井荷風 「十年振」
...俗衆をあっといわせ...
中里介山 「大菩薩峠」
...他の学者はただの一銭の賞金にも直径一分の賞牌にも値せぬように俗衆に思わせるのは...
夏目漱石 「学者と名誉」
...しかく俗衆に入れられなかったか...
野村胡堂 「楽聖物語」
...俗衆的先入見を憎悪(ぞうお)し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...必ずしも俗衆主義のものではない...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...俗衆に媚びざるの芸...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...俗衆の抱いたと同じ野心で煽られず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...例えば女子供や俗衆などが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...俗衆はまさしく歌によって動かされていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...それを神々が多数の俗衆に聴かせんがために...
柳田国男 「木綿以前の事」
...カイアエ君の作つた「プリム・ロオズ」と云ふ平凡な脚本が俗衆の人気に投じたので...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索