...もう散々に痛んだ十数枚の俗曲落語の類であつた...
阿部次郎 「帰来」
...渋い意気な俗曲的の面白味であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...私が日本の俗曲では何といっても長唄(ながうた)であると長唄礼讃を主張すると...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...五 犬と猫俗曲よりも好きだったのは犬と猫であった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...俗曲の方には好き嫌いや註文があって...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...野卑(やひ)な俗曲を...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...(此御神の事を作りたる俗曲に梅王松王桜丸の名はかの梅は飛の御哥によりてまうけたる名なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...また五七は単に和歌の形式の骨格となったのみならずいろいろな歌謡俗曲にまで浸潤して行ってありとあらゆる日本の詩の領分を征服し...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...これまさに江戸俗曲の現代における価値であろう...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...女の音〆(ねじめ)には似も寄らぬ正しき太棹(ふとざお)の響折々漏れ聞ゆるにぞ談話は江戸俗曲の事また先頃先生のさる書肆(しょし)より翻刻を依頼せられしといふ『糸竹初心鈔(しちくしょしんしょう)』がことより...
永井荷風 「書かでもの記」
...かつてわたくしはこの時分の俗曲演劇等の事を論評した時明治十年前後の時代を以て江戸文芸再興の期となしたが...
永井荷風 「向嶋」
...俗曲を一つやれ」「…………」「追分(おいわけ)か...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの短笛が世の常の俗曲を吹かなかったというばかりではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...俗曲(ぞっきょく)は分らない...
二葉亭四迷 「平凡」
...しば/\往年の麗人常磐津式多津(ときはづしきたつ)(いまの俗曲西川たつ子)君と小庵へ芸談にやつて来るが...
正岡容 「落語家温泉録」
...みな/\抜けたア」と謳ひだす梅坊主一座の俗曲を...
正岡容 「寄席風流」
...荻江一中などの俗曲にも通じていたし...
山本周五郎 「桑の木物語」
...あれが六条の柳町で――この頃町家(まちや)が殖(ふ)えてから、三筋町とも称(よ)んでいますが」「アア、あれですか」「町中を出離れてから、またこんな広い馬場だの空地だのを通って、その彼方に忽然(こつねん)と、あんな灯の聚落(しゅうらく)が現れるのもおもしろいでしょう」「意外でした」「遊廓(くるわ)も以前には、二条にあったものですが、大内裏(だいだいり)に近うて、夜半(よなか)などには、民歌や俗曲が、御苑(ぎょえん)のほとりに立つとかすかに耳にさわるというので、所司代の板倉勝重(いたくらかつしげ)どのが、急にここへ移転させたものです...
吉川英治 「宮本武蔵」
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