...僕はこの急劇な変化の前に俗悪な東京を思ひ出しました...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...蒹葭堂コレクシヨンさへ残したのはそれ自身豪奢の俗悪なる所以を示してゐるものと言はなければならぬ...
芥川龍之介 「僻見」
...世間の俗悪な解釈のために...
芥川龍之介 「毛利先生」
...キリストの精神を無視した俗悪な態度だといきまいたが...
有島武郎 「或る女」
...内地の俗悪な都会に比して優ツてるのは...
石川啄木 「漂泊」
...併(しか)も先生は俗悪な社会の道徳や習俗に対して何の苦痛の感も抱かずに接しながら一方にまた高遠な理想を説いてお出になつて...
伊藤野枝 「S先生に」
...鑑賞の俗悪なために名画の価値を減ずるもの...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...俗悪な犬が何故出来たか...
高浜虚子 「俳句への道」
...俗悪な句を作って...
高浜虚子 「俳句への道」
...俗悪ながら彼の夢に近かった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...俗悪な形態の自由意志説や神秘観をわざわざ引き出して見せる...
戸坂潤 「技術の哲学」
...いわく「俗悪なる見解が如何に我物顔に横行せるかを見よ……彼等にあっては現段階の事象に対する暴露的批判が小児病的鋭舌をもって試みられてはいる...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...そしてこの云わば俗悪な発展と進歩とがなければ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...だが之ほど俗悪なイデオロギーの観念はなく...
戸坂潤 「思想としての文学」
...何か大変俗悪な、素人をおどすような気分で書かれているような予感がしたからである...
戸坂潤 「読書法」
...平凡俗悪な純粋の腰弁式淫蕩に満足して...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...俗悪な色や模様を捜そうとするならただ倦怠(けんたい)を感じるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...私はかつて俗悪なる一破片をも目撃したことがない...
柳宗悦 「工藝の道」
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