...俗悪な民衆を軽蔑しろ...
芥川龍之介 「闇中問答」
...部屋の中の俗悪な空気を新たにしたい一心から...
芥川龍之介 「開化の良人」
...キリストの精神を無視した俗悪な態度だといきまいたが...
有島武郎 「或る女」
...近来市井(しせい)に見かける俗悪な色彩のペンキ塗のブリキ製玩具の如きは...
淡島寒月 「土俗玩具の話」
...何の顔を見ても、鹿爪らしい、横平な、円(まろ)みのない、陰気で俗悪な、疲れた様な、謂はば教員臭い顔ばかりなんぢやないか...
石川啄木 「漂泊」
...鑑賞の俗悪なために名画の価値を減ずるもの...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...俗悪ながら彼の夢に近かった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...どうして俗悪なこの世の中に...
田山花袋 「少女病」
...俗物によると日常生活は最も俗悪なものであって...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それ自身俗悪な常識的な知恵でしかない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...幼いころからしみこんでいる礼儀作法に対する俗悪な観念を立証するだけのことであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...活動の俗悪なる空気とに迎えられた...
豊島与志雄 「生あらば」
...請負普請(うけおいぶしん)の醜劣俗悪な居室(きょしつ)の中(なか)に住んでいる人があると慨嘆している...
永井荷風 「妾宅」
...下吏となって長く膝(ひざ)を俗悪な大官の前に屈するよりは...
中島敦 「山月記」
...――俗悪なレアリストの夢とは何といやなものだろう!*12今朝...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...俗悪な名前なんぞ知らないというのは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...日露戦争時代には俗悪な石版画が幅を利かせて...
山本笑月 「明治世相百話」
...俗悪な絵だの花だのを...
吉川英治 「宮本武蔵」
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