...俗に胴忘(どうわす)れという事があるね...
江戸川乱歩 「疑惑」
...人びとはこれが俗に云う髷きりだと云うことを知ったが...
田中貢太郎 「簪につけた短冊」
...俗に申すぶらかすと云ふ如く...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...通俗になりそうな気がするんだ...
豊島与志雄 「春」
...俗に一本松と呼ばれていて...
豊島与志雄 「ものの影」
...俗に高等とよびしもの衣裳容貌山の手の芸者に劣らざるものにして待合席料一円...
永井荷風 「桑中喜語」
...俗に娑婆(しゃば)と呼び習わされているところの地上へ呼び戻されたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...道を守り俗に抗する道也はなおさらない...
夏目漱石 「野分」
...所は芝(しば)烏森(からすもり)で俗に「林(はやし)の屋敷」と呼ばれていた屋敷長屋の端(はず)れの家(うち)だったが...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...社会のあらゆる道義観や風俗に挑戦(ちょうせん)し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...泰文の身体のなかに陳腐な習俗に耐えられない...
久生十蘭 「無月物語」
...俗に「悪魔の魚(デビル・フヰツシユ)」と称して...
牧野信一 「鏡地獄」
...またイチジクはイチジュクすなわち俗に云う一熟だと寺島良安(てらじまりょうあん)の『倭漢三才図会(わかんさんさいずえ)』に出ているが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...西洋の本場の避暑地の風俗に比べると...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...甘く且つ通俗になっている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...芸術家が単に情緒に止った場合この如き技術をもっていてもやはり低俗にならざるを得ないことは実に教訓ですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私たちのまわりには卑俗に且つ盛に小刀細工をやって暮している人間たちが少なからずいます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「蝶々」と俗に云っているそうだ...
吉川英治 「河豚」
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