...俗に女の身代(みのしろ)と云うものにござりますので...
泉鏡花 「海神別荘」
...第九六項 二十六夜待ちの説明俗に二十六夜待ちと称して...
井上円了 「おばけの正体」
...或は良心の命を重じ世俗に従わざるが故に時の社会より遮断さるるあり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...俗にツケギと私達仲間では言つてゐた...
関根金次郎 「本因坊と私」
...インドの立法者にとっては何物もあまりに卑俗にすぎることはなかった――それが近代の趣味にとってはいかほどいかがわしく思えようとも...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...未(いま)だ曾(かつ)て折助風俗に落ちた覚えはないのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...通俗に満作と云ふ塩魚が村に沢山這入つて来だした...
中村憲吉 「備後より」
...どっしりと卑俗に堕していないことで一同を喜ばした...
中村地平 「宮崎の町」
...それは湿雪(しっせつ)あるいは俗にべと雪という言葉に対照させて見るのが一番早道である...
中谷宇吉郎 「雪」
...所は芝(しば)烏森(からすもり)で俗に「林(はやし)の屋敷」と呼ばれていた屋敷長屋の端(はず)れの家(うち)だったが...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...かつ卑俗に堕さない精神のロマネスクとを品性に支持していたためである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...或る場合には俗に言う真綿で首を締めるの効を奏することあり...
福沢諭吉 「新女大学」
...俗に単にメロンといえばじつは Cucumis MelonL. に属するもろもろの瓜の総称でマクワウリ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...極めて俗なる事を詠むに雅語(がご)を用ゐて俗に陥らぬやうにする事天明(てんめい)諸家の慣手段(かんしゅだん)なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ツブ立つ時すなわち俗にヅブヅブグチャグチャなどいうごとく水がヅブヅブと鳴った時の名をヅブたつ御魂...
南方熊楠 「十二支考」
...俗に黄身の眼というがこれは玉子の胎盤だ...
村井弦斎 「食道楽」
...感じた所を世俗に明かした人達もあるが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...都会で流行する歌が俗に陥(おちい)らない場合がないのに...
柳宗悦 「民藝四十年」
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