...その軟(やはらか)き兩臂は俄に我頸(うなじ)を卷きて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...俄(にわか)に怪塔王はうろたえ...
海野十三 「怪塔王」
...半之丞説が俄(にわ)かに有名となると共に...
海野十三 「くろがね天狗」
...市俄古(シカゴ)という如き北米の大都市に遠征して跳梁(ちょうりょう)を極めており...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...晩酌を始めると俄に口が辷り出して頻りに氣焔を吐く...
高濱虚子 「俳諧師」
...震災後になって俄(にわか)に客が激増した...
高浜虚子 「丸の内」
...将軍家俄かに御不例...
太宰治 「右大臣実朝」
...俄かに博士の態度が変って行ったように――そういう嫌疑を持っている人間に邸に出入されては困るというように思っているらしく勇吉には邪推された...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...常見る霞が浦俄(にわか)に浮き上ったように...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...田舎の人は俄に自然に対して眼を覚すかのように...
豊島与志雄 「幻覚記」
...俄に息がつまるような衝動を覚えた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...俄(にはか)に手(て)を叩(たゝ)いて小坊主(こばうず)を呼(よ)び茶(ちや)と菓子(くわし)とを持(も)つて来(こ)させた...
永井壮吉 「吾妻橋」
...植込にさし込む朝日の光俄にあかるく...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...そのとき俄(にわ)かに向(むこ)うから...
宮沢賢治 「雁の童子」
...そしたら俄(にわ)かに波(なみ)の音が強くなってそれは斯(こ)う云(い)ったように聞こえました...
宮沢賢治 「サガレンと八月」
...俄かに雪の新裝を改めて...
吉江喬松 「山岳美觀」
...おれたちは、血まなこなのに」「いやいや、得態(えたい)もしれぬこの同勢で、事も俄に、荒々と、お驚かせしてはなるまい...
吉川英治 「私本太平記」
...彼は俄破(がば)と跳ね起きて階段の上から覗いて見るとドーブレクが今しも階段を降りて庭の方へ行く様子...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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