...四十六彼の姉の夫の自殺は俄かに彼を打ちのめした...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...俄(にわ)かに何かに羞(は)じるようにこうY中尉に声をかけた...
芥川龍之介 「三つの窓」
...文学に対する世間の興味は俄に沸湧して...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...停車場迄一時間ではむづかしいでせう」と俄に狼狽せられる...
高濱虚子 「俳諧師」
...俄に駆け戻ってきて...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...季子は汁粉屋にゐた時の大膽不敵な覺悟に似ず、俄に歩調を早め、やがて道端のポストを目當に、逃るやうにとある小徑(こみち)へ曲らうとした...
永井荷風 「或夜」
...然るにわれは俄(にわか)に老の楽(たのしみ)の新なるを誇らんとす...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...娘(むすめ)が病(やま)ひの俄(には)かに起(おこ)りて私(わたし)はもう歸(かへ)りませぬとて驅(か)け出(いだ)すを見(み)る折(をり)にも...
樋口一葉 「うつせみ」
...右(みぎ)の次第(しだい)にて此度(このたび)大陰暦(たいゝんれき)を改(あらた)めて大陽暦(たいやうれき)と爲(な)し俄(にはか)に二十七日の差(さ)を起(おこ)したれども少(すこ)しも怪(あやし)むに足(た)らず...
福澤諭吉 「改暦辨」
...母が俄(にわか)に病気になりました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...俄然として一声強くはげしい電鈴が鳴りひびいた...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...疲れたような影も見える――何やらわけがあるのであろう――包まず語って聴かせられえ」呉羽之介は俄(にわ)かにほんのりと頬を染めて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...そのときあのやぐらの上のゆるい服の男は俄かに赤い旗をあげて狂気のやうにふりうごかしました...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...俄に昇ったわけでもない...
吉川英治 「私本太平記」
...俄に明るさの流れていたのは...
吉川英治 「私本太平記」
...かれは、俄然(がぜん)、鉾(ほこ)を転じて、木(き)ノ本(もと)を衝(つ)いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...小さい仲間も俄(にわか)に駈けつけてくるし...
吉川英治 「源頼朝」
...家(いへ)のあたりが俄(にはか)にあかるくなつて...
和田萬吉 「竹取物語」
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