...予は俄にひまがあいてむしろ手持ぶさだという様な塩梅である...
伊藤左千夫 「浅草詣」
...ぼろ綿人の俄か繕いをはじめたのであるが...
犬田卯 「おびとき」
...怪塔ロケットを俄(にわか)に出発させたのは黒人ではなく...
海野十三 「怪塔王」
...俄(にわ)かにらんらんと輝きだした...
海野十三 「地球盗難」
...……B18号はもう取戻せないのかッ!」すると俄かにリンリンリンリンと...
海野十三 「地球盗難」
...お道さんが行つたあとは俄かに淋しくなつた...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...俄に東京が恐ろしくなり...
高濱虚子 「續俳諧師」
...稚児サン騒ぎなぞ気(おくび)にも出さなくなった今に至って私一人は俄然(がぜん)として稚児サンのよさに覚醒(めざ)め...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...私は俄に元気づいて...
豊島与志雄 「白日夢」
...俄に思い出したように...
豊島与志雄 「反抗」
...俄(にはか)に水(みづ)に浸(ひた)されて銀(ぎん)のやうに光(ひか)つて居(ゐ)る岸(きし)の草(くさ)の中(なか)に隱(かく)れやうとする...
長塚節 「土」
...村落(むら)の何處(どこ)にも俄(にはか)に其(その)聲(こゑ)を聞(き)かなくなつた雀(すゞめ)が群(ぐん)をなして日毎(ひごと)に襲(おそ)うた...
長塚節 「土」
...」かう思ふと彼は俄かにいろ/\の想像の亢奮の為めに顔が赭く輝いた...
長與善郎 「青銅の基督」
...俄に静岡に停車する事となりしかば...
福田英子 「妾の半生涯」
...ペムペルも俄かに高く泣き出した...
宮沢賢治 「黄いろのトマト」
...大抵能楽の間(あい)の狂言を模し、衣裳(いしょう)は素襖(すおう)、上下(かみしも)、熨斗目(のしめ)を用い、科白(かはく)には歌舞伎(かぶき)狂言、俄(にわか)、踊等の状(さま)をも交え取った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...俄然鯛の総身が小波立ったように開く...
矢田津世子 「茶粥の記」
...俄つんぼのように静まりかえった眺めであるし...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
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