...此悲哀に促されて更に辿り行く人生の薄明よ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...つやは医員に促されているらしかったが...
有島武郎 「或る女」
...」口早に促されて...
泉鏡花 「婦系図」
...自分はそれに促されて...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...省作さんもおごるならまたそのように用意が入るから」政さんに促されて満蔵は重い口を切った...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...夫人は大月の問に促されて目撃したと言う兇行の有様に就いて語り始めた...
大阪圭吉 「花束の虫」
...また研究心に促されて起(た)ったのでもない...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...それが東日に促されて初めて義捐金募集に乗り出したというのである...
戸坂潤 「社会時評」
...」そして何度も促されて...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...故に三条西家からしきりに催促されても...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...激情に促されて、自白が、色の無い口唇を流れ出て来た――纒まりのない、躓くような片言である...
牧逸馬 「双面獣」
...――父は彼に、厳しく促されて、挨拶だけ済すと、待せてあつた俥で帰つて行つた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...かかる有力な行動の動機に促されている人間の力にしばしば抗し得なかったことであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...それに促されてお玉もどんな人が通るかと...
森鴎外 「雁」
...今お前が始めて受けた苦痛に促されてそう云ってくれるのを...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...またタレスが磁石の考察に促されて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...近う」二度まで促されて膝行(しっこう)する丹後守に...
山本周五郎 「日本婦道記」
...加うるに、さきに蟹江(かにえ)あたりを窺(うかが)った上方の海軍も、遠州、駿河沖あたりに遊弋(ゆうよく)しはじめ、美濃、伊勢、甲州にわたる信雄の与国は、秀吉に促されて、いや応なく、ふたたび第一次の小牧戦よりはるか岡崎に近く東下して来るであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
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