...便々と東山(ひがしやま)を眺めて...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...とても便々と家にゃいられないからね...
芥川龍之介 「妖婆」
...もう便々(べんべん)と三谷の助けを待っている場合でない...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...その便々たる腹を押し立てながら登壇した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...安禄山(あんろくざん)風の腹便々として...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...帰ったか」いかにもゆったりとその便々たる腹の底より押しあげたようなる乙音(ベース)を発しつつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...便々と待っているような男であり得るはずがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...町芸者の家に便々と暮した上...
野村胡堂 「十字架観音」
...いつ言い出されるかわからないのに便々と二年も放っておくわけがない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...阪井ほどのやつがいつまでも便々(べんべん)とわたしの返事を待っているはずはない...
久生十蘭 「ハムレット」
...こう決まったらこんなふざけた長椅子などに便々と待っている必要はない...
久生十蘭 「魔都」
...平気で済まして便々とお神輿(みこし)を据(す)えていられる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ビールの招牌(かんばん)にありそうな便々とした腹を持っていて普通の洋服では釦(ぼたん)が合わん仕立屋がズボンの仕立に閉口する位だ...
村井弦斎 「食道楽」
...10285そして便々たる腹に本領安堵をさせました...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...便々としていれば先生も人間です...
山本周五郎 「松林蝙也」
...「これまで便々と時を消し...
山本周五郎 「山彦乙女」
...二人がこうして揃った上は便々(べんべん)と三月十五日を待つ迄もない……というので...
夢野久作 「名娼満月」
...便々と十日も猶予しておられようか...
吉川英治 「三国志」
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