...すぐに便々(べんべん)とまだ湯に浸つてゐる自分の愚を責めた...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...さて何時までも便々と...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...とても便々と家にゃいられないからね...
芥川龍之介 「妖婆」
...此まま便々登城いたし候ては恐入候故...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...腹の便々たる四十かっこうの市民がいて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それを便々たる腹の上に重ねてゐた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...便々と待っているような男であり得るはずがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...町芸者の家に便々と暮した上...
野村胡堂 「十字架観音」
...主人新三郎の歸りを便々として待つて居るわけには行きません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...便々と酌(く)み交すところに八五郎の人の好さ――といふよりは神經の太さがあるのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...阪井ほどのやつがいつまでも便々(べんべん)とわたしの返事を待っているはずはない...
久生十蘭 「ハムレット」
...ビールの招牌(かんばん)にありそうな便々とした腹を持っていて普通の洋服では釦(ぼたん)が合わん仕立屋がズボンの仕立に閉口する位だ...
村井弦斎 「食道楽」
...斎は一箇の胖大漢で便々たる腹を有してゐたらしい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「これまで便々と時を消し...
山本周五郎 「山彦乙女」
...二人がこうして揃った上は便々(べんべん)と三月十五日を待つ迄もない……というので...
夢野久作 「名娼満月」
...なんじまだ便々と下にたて籠って何んするものぞ...
吉川英治 「三国志」
...便々と十日も猶予しておられようか...
吉川英治 「三国志」
...この方丈に便々と長袖を着...
吉川英治 「宮本武蔵」
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