...綿入れと襦袢(じゅばん)とを通して倉地の胸を暖かく侵すほど熱していた...
有島武郎 「或る女」
...少しでも自分を侵すやうな...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...自己生存のためには侵すべからざる権利...
大隈重信 「始業式訓示」
...あたかも外寇(がいこう)が地理上の国境を侵すと同じである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いきなり乱暴に自然の法則を侵すのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...往昔韓愈(かんゆ)釈教の中華を侵すを慨嘆せしかど遂に能く止むる事能わざりき...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...詩として彼の頭をぼうっと侵すだけであった...
夏目漱石 「道草」
...日本国および日本国民自身の尊厳を侵すものにほかならない...
蜷川新 「天皇」
...天皇を「神聖にして侵すべからず」と定めた...
蜷川新 「天皇」
...ハステラーがいくら興奮して論争しているときでも侵すことのない唯一の規則だった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...おれの道徳はどんな理由があろうとそれを侵すことはゆるさぬ……非常に苦痛だが...
久生十蘭 「黒い手帳」
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エドゥアール・エルネ・プリリュー Edouard Ernest Prillieu 竹本周平訳 「Rosellinia necatrix (R. Hart.) Berlese の子嚢殻の裂開性について」
...まだ薄寒き風のひや/\と病衣の隙を侵すもいと心地よく覚ゆ...
正岡子規 「小園の記」
...吟者讀者を侵すなり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...一般の・侵すべからざる・規則としている国々があった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けっして侵すことのできないものであることをきめているのです...
文部省 「あたらしい憲法のはなし」
...なぜならその道は工藝を侵す多くの罪悪から遠いからです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それは効きめの緩慢な毒が血管を伝わって徐々に組織を侵すように...
山本周五郎 「つばくろ」
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