...政府は依然として政治運動によって人心を収攬しようとせず...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...浅草では依然として氷をかけた愛玉只を売っているのだ...
高見順 「如何なる星の下に」
...「君は依然として窮措大(きゅうそだい)だね...
田中貢太郎 「西湖主」
...何となれば個別化しただけでは個別化された対象の数は依然として無限であるので...
戸坂潤 「科学方法論」
...依然としてそして又愈々...
戸坂潤 「科学論」
...依然として二人の間は離れ過ぎている...
中里介山 「大菩薩峠」
...好い加減に起きてあるこうじゃないか」「女は人を馬鹿にするもんだ」と甲野さんは依然として天(そら)を眺(なが)めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...自分が再び床に着いた後(あと)も依然として同じ沈黙に鎖(とざ)されていた...
夏目漱石 「行人」
...ばったり出逢(であ)った彼女の顔は依然として恥ずかしそうに赤く染(そま)っていた...
夏目漱石 「行人」
...「おはいりなさい」依然として三四郎を待ち設けたような言葉づかいである...
夏目漱石 「三四郎」
...不愉快を受けると云うのに周囲の事物人間が依然として旧態をあらためぬ時...
夏目漱石 「野分」
...御米は依然として寝ていた...
夏目漱石 「門」
...一八一六年二月、太子はリヴァプールから船でナポリへ行き、そこから南独逸へ入ったが、ウルテンベルヒ、バーデン、バヴァリヤなどの国境には、依然として、「浮浪人、亡命貴族の入国を禁ず」という立札があり、カストリ侯爵の身分証明書では宿屋に泊ることさえ出来ないので、救貧院で死にかけていたウイリアム・ノオンドルフという乞食から身分証明書を買い、ベルリンの近傍のスパンドオという町で小さな時計屋を開業し、三十五歳になってやっとのことで独逸の片隅で安住の地を見いだした...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...その卑屈不信の気風は依然として旧に異ならず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...いずれにもせよ彼は依然として饅頭焼豆腐の境涯を離れざりしなり...
正岡子規 「曙覧の歌」
...世間の約束にしたがい外見上の礼は依然としてつくしているけれども...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私は依然として無表情な強直を続けておりました...
夢野久作 「少女地獄」
...私は今朝(けさ)あの七号室で眼を開いた時と少しも変らない……依然としてタッタ一人で宇宙間を浮游(ふゆう)する...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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