...なれども、如何なる心得違ひにてか、与作病死の砌(みぎり)より、専(もつぱ)ら切支丹宗門に帰依(きえ)致し、隣村の伴天連(ばてれん)ろどりげと申す者方へ、繁々出入(でいり)致し候間、当村内にても、右伴天連の妾(てかけ)と相成候由、取沙汰致す者なども有之、兎角の批評絶え申さず、依つて、父惣兵衛始め姉弟共一同、種々意見仕り候へども、泥烏須如来(でうすによらい)より難有(ありがた)きもの無しなど申し候うて、一向に合点仕らず、朝夕、唯、娘里と共にくるすと称(とな)へ候小き磔柱形(はりきがた)の守り本尊を礼拝(らいはい)致し、夫与作の墓参さへ怠り居る始末に付き、唯今にては、親類縁者とも義絶致し居り、追つては、村方にても、村払ひに行ふ可き旨、寄り寄り評議致し居る由に御座候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...しかし数馬は依怙のあるように疑ったかとも思いまする...
芥川龍之介 「三右衛門の罪」
...あまり俺(わし)に依(たよ)る気(き)になっては面白(おもしろ)うない……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...昨日にひきつづき風が依然として治らないことだった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...黄金塔の保護を依頼して帰りました...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...又地方に依っては...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...仏道に帰依して、二、三十年の間は、少しもなまぐさいものを口にしなかったが、あるとき、友だちの一人が松江の鱸(すずき)を煮ているところへ往き合せたことがあった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...科学の威力に依(よ)って民衆を覚醒(かくせい)させ...
太宰治 「惜別」
...ドラーゲ公爵家の御依頼で...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...事に依(よ)ったら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...依子の姿がふと見えなくなった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...民をしてこれに依らしめることに努めたものと思われる...
穂積陳重 「法窓夜話」
...人間の力で変化せしめ得る事情に依存するものなることが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...その人たちの温良な意見に依れば...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...又リムビヨツクの著述『母の物を見ることに依つて生れし子の母の見し物に似る現象に就いて』と云ふ書の十九頁にも...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...お松は少し依怙地(えこじ)になったのと...
森鴎外 「心中」
...依然どなたにでもお目に掛かる...
森林太郎 「長谷川辰之助」
...私の依頼に応じて黄檗で染めた巻紙を作つてくれた...
柳宗悦 「和紙十年」
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