...それは港街道の路傍(みちばた)の小山の上に枝ぶりの佳いのを見立てたので...
泉鏡花 「怨霊借用」
...しかしその佳いところを記すには姿もなく言葉もないので...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...ああ、日本は、佳い国だ...
太宰治 「新郎」
...佳い菊の苗が、どこかに在ると聞けば、どのやうな無理算段をしても、必ず之を買ひ求めた...
太宰治 「清貧譚」
...また、この母は、なんと佳いのだ...
太宰治 「俗天使」
...たとい佳いお婆さんであっても...
太宰治 「ろまん燈籠」
...相当に佳い本だとは思うが...
辰野隆 「愛書癖」
...その年恰好の容色の佳い女のいそうな家を聞きあわして...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...それを佳い女というなら...
田中貢太郎 「嬌娜」
...佳い種があるということを聞くときっと買った...
田中貢太郎 「黄英」
...「どう」「臭いのです」「佳い匂じゃないの...
田中貢太郎 「春心」
...佳い目が出るのかい」揉あげの松山はいい気もちに酔っていた...
田中貢太郎 「春心」
...今日は何か佳いものがあって」「今日は佳いものがございましたから...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...その日は風の暖かな佳い日であったから参詣人が多かった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...景色の佳い遊覧地が沢山あって...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...姿の佳いのは姿の悪いのよりはよい位の事は誰れでも知っているでしょう...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...声の佳(よ)いというのも決して鶫たちのために佳いのではない...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...「これは佳い、この調子だときょうは珍しく出来るかも知れませんね」身体の具合を損ねて以来、私はまったく久しい間歌らしい歌を作らずにいたのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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