...勿論五年級にゃ佳(い)いのが居ると云ったっけが...
泉鏡花 「婦系図」
...最(もつと)も振(ふる)つて居(ゐ)たのは三十六年(ねん)一月(ぐわつ)元旦(ぐわんたん)で、此日(このひ)年始(ねんし)に來(き)た幻花子(げんくわし)は、掘初(ほりぞ)めをすると云(い)つて唯(たゞ)一人(ひとり)で出掛(でか)けたのを、後(あと)から、靜灣(せいわん)、佳水(かすゐ)、天仙(てんせん)、望蜀(ぼうしよく)、古閑(こかん)、狹衣(さごろも)、活東(くわつとう)の七人(にん)と評議(ひやうぎ)の上(うへ)、二人宛(ふたりづゝ)四方(はう)から進(すゝ)んで、穴(あな)に籠(こも)る幻子(げんし)を包圍攻撃(はうゐこうげき)して遣(や)らうといふので、それ/\に手配(てくば)りしたが、活東子(くわつとうし)が不間(ぶま)を遣(や)つて、却(かへ)つて幻花子(げんくわし)の方(はう)から突貫(とつくわん)し來(きた)つたのであつた...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...談たまたま佳境に入ったとたんに...
太宰治 「酒ぎらい」
...伊豆の沼津あたりに佳い苗があるといふことを聞いて...
太宰治 「清貧譚」
...少しでも佳(よ)き値に売りたく...
太宰治 「花吹雪」
...佳麗な西湖の風景を慕うて...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...池の縁に立って佳い気もちになっていた...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...今日は何か佳いものがあって」「今日は佳いものがございましたから...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...モオリスはなほブルタアニュに止つてヴァル・ド・ラルゲノンに氣持の佳い家と美しい妻をもつた詩人イポリット・ド・ラ・モルヴォネエの許などに冬ぢゆう滯在してゐた...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...最佳作の方には何れ私から花輪を送りますから...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...アカザもシロザも共にその葉が軟くて食用になる佳蔬であるから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...「スミレ名」談義スミレという名を聞けば何んということなしにそれが佳(よ)い名で慕わしく感ずるのであるから...
牧野富太郎 「植物記」
...俗人はこれを佳句の如く思ひもてはやせども文学としては一文の価値なきものなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...そもそも悪句は埋没して佳句のみ残りたるか...
正岡子規 「俳人蕪村」
...それにかまわず、佳一は、楓を先に立てて庭へ入って行った...
「ヴァリエテ」
...では佳き年があるように...
山本周五郎 「青べか日記」
...我れひそかに佳人Rの死をいたむこと切なり...
横瀬夜雨 「女子文壇の人々」
...時折その梨苑をさまよう月よりも美しい佳人が見かけられる...
吉川英治 「三国志」
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