...世間からは故人に佞(ねい)しもしくは故人を舁(かつ)いだものかのように受取られたことが多いのです...
伊藤左千夫 「子規と和歌」
...それにまた、この龜のこれまでの浦島に對する態度から判斷しても、決してかのエデンの園の蛇の如く、佞奸邪智にして、恐ろしい破滅の誘惑を囁くやうな性質のものでは無いやうに思はれる...
太宰治 「お伽草紙」
...何となく奸佞邪智(かんねいじゃち)な人物のように考えられて来たけれども...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...君側の姦佞(かんねい)に妨げられて何一つ恩賞にあずからなかった...
中島敦 「李陵」
...九十郎の辯佞利巧(べんねいりこう)は次第に脂が乗って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...兵部少輔殿の巧智と弁佞(べんねい)に勝つ見込は無い...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...殺風景なる佞人を題としながら其の調の高きために歌が氣高く聞ゆるなり...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...極端なる弱蟲卑怯者佞人惡人の二派に分ける慣習があるので...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...つまりはネブタに佞武人(ねぶと)だの佞侮多(ねぶた)だのという無理な当て字を自分でしておいて...
柳田国男 「年中行事覚書」
...家中(かちゅう)の一部から佞臣(ねいしん)といわれていたのは事実らしい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...無能で佞智(ねいち)ばかりもつ賄賂(わいろ)好きな役人...
吉川英治 「大岡越前」
...まだ佞人(ねいじん)の策におち...
吉川英治 「三国志」
...もちろん媚態派の佞臣(ねいしん)からである...
吉川英治 「三国志」
...曹丕はその佞(ねい)を観破することができないで...
吉川英治 「三国志」
...ここらが彼の奸佞(かんねい)なところである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...佞奸(ねいかん)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...根ッからの佞官(ねいかん)型であるうえに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...現代の綱吉将軍や大奥や佞臣閥(ねいしんばつ)や妖僧などのむらがりのように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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