...併し紙に向ふ迄には散佚して引汐の樣にひいて了ふ場合が多い...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...「裸(らてい)淫佚(いんしつ)で...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...初めて一緒になった時のような心の自由と放佚(ほういつ)とが見出されなかった...
徳田秋声 「爛」
...国民的淫佚(いんいつ)を覆(おお)い隠している――しかも一方には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不幸にして早く散佚した...
内藤湖南 「支那目録學」
...その全文は今日散佚して殘つてゐないが...
内藤湖南 「支那目録學」
...高似孫はよく類書その他の古書に佚書の一部分を殘したものを引き拔いて補つた...
内藤湖南 「支那目録學」
...しかも清人は單に輯佚を目的として...
内藤湖南 「支那目録學」
...我が上古史に全く缺佚せる筑紫女酋の事蹟なりと信じ得ざること...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...遺佚(いいつ)答へてこの車坂は二つありやといふ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...森氏は余の言ふところにつきて言語の意義と章句との關係を遺佚せしめざらんがため沈重なる努力を以て耳を傾けたり...
永井荷風 「佛蘭西人の觀たる鴎外先生」
...げに忘れゐたりしよ……〔空しき秋二十数篇は散佚して今はなし...
中原中也 「在りし日の歌」
...それを実隆が聞き込んで散佚(さんいつ)を惜しみ...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...其図は佚亡してしまつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘇沈良方は古本が佚亡した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...佚亡の書の甚多いことが知られる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...支那において佚亡(いつぼう)したものが少くない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...それも今は多く散佚(さんいつ)して...
山本笑月 「明治世相百話」
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