...この男の余徳(ほまち)であろう...
泉鏡花 「婦系図」
...かかり合いに余徳があるものと考えているものが多い...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...無産有閑の余徳である...
種田山頭火 「其中日記」
...余徳の方が大きすぎる位さ...
豊島与志雄 「二つの途」
...つまり沢井道場の余徳でありますな」沢井道場で門弟食客連がこんな噂をしているのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...その余徳のうるおいは蓋(けだ)し莫大(ばくだい)なもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここの藩中の重役の命を取返したという余徳がさせることであるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...それも聖母の余徳であろう...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...ギーザまでこの尊敬の余徳にあずかっていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...吾々は今日に居て只管(ひたすら)先人の余徳その遺伝の賜(たまもの)を拝する者なり...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...仁君名臣の余徳もまた...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...祖先の余徳に由(よっ)て首尾能(よ)く叶うたことなれば...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...余徳はせいぜいチクオンキの製造所を儲けさせるくらいの功績で...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...安ものの余徳とでも申しましょうか...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...ひそかに貧者へ与えられていた貧者の味にはそんな余徳があったのである...
吉川英治 「舌のすさび」
...経営のよかった余徳でもある...
吉川英治 「私本太平記」
...三碁のうまい百姓の彦兵衛は、碁の余徳で、たびたび老公のお相手によばれるうち、ふと、欲が出てきた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...明らかな余徳となって顕(あら)われて来た感謝もある...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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