...決して近衛首相の予ての常識ある態度の余徳ではない...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...余徳の方が大きすぎる位さ...
豊島与志雄 「二つの途」
...つまり沢井道場の余徳でありますな」沢井道場で門弟食客連がこんな噂をしているのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...その余徳のうるおいは蓋(けだ)し莫大(ばくだい)なもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...余徳というよりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここの藩中の重役の命を取返したという余徳がさせることであるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...霧の上に月がある余徳なのであって...
中里介山 「大菩薩峠」
...御余徳(おんよとく)がしのばれることであろう...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...ギーザまでこの尊敬の余徳にあずかっていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...敗戦の余徳といっても...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...吾々は今日に居て只管(ひたすら)先人の余徳その遺伝の賜(たまもの)を拝する者なり...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...その死後の余徳は火の尽きざるが如しと云うと雖も...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...仁君名臣の余徳もまた...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...祖先の余徳に由(よっ)て首尾能(よ)く叶うたことなれば...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...かつ労働を伴う手仕事に与えられる余徳ともいえましょう...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...しかし彼の死後なお三十年間も蜀が他国に侵(おか)されなかったのはひとえに彼の遺法余徳が...
吉川英治 「三国志」
...三碁のうまい百姓の彦兵衛は、碁の余徳で、たびたび老公のお相手によばれるうち、ふと、欲が出てきた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...それでも『婦人は実力以上に買われる』という余徳あるが為で御座いましょう...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
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