...余すなわちその事実に拠(よ)り一文を草し...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...いつも持て余すほど入つて来るので...
田山録弥 「モウタアの輪」
...醒めたころには金も余すところ幾許(いくばく)もなかった...
徳田秋声 「縮図」
...宮武外骨(みやたけがいこつ)氏の『筆禍史(ひっかし)』は委(つぶ)さにその事跡を考証叙述して余すなし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...加ふるに昇亭北寿を以てすれば今や余す所のもの一勇斎国芳あるのみ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...こういう場合には男がすこしは持て余すほど我儘(わがまま)を言った方がかえって結果の好い事を知っている...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...縛られたまま藻掻(もが)く娘を持て余すともなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...また西宮が持て余すほど泣いた...
広津柳浪 「今戸心中」
...折よくも私達の大会は日を余すこと僅日...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...約束の五時半には僅に数分を余すのみであった...
松本泰 「日蔭の街」
...労働は余すところなく食物の生産に充てられている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...どうもと思えるので初めの二十枚余すっかりこねかえて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「色情を抑えるにはその求める肉体を余すところなく見よ」と言ったこと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...余すなく中殿の東西に居ながれた...
吉川英治 「私本太平記」
...あと余すところ幾日かの糧(かて)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...余すところ僅かになった...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼の余す防塁となってしまった...
吉川英治 「平の将門」
...余すな」将門自身...
吉川英治 「平の将門」
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