...祇園祭の屏風や、博物館の陳列の作品をかかさずに必ず出かけて行く、これと思ふものは殆んど、余す処なく、花鳥人物、山水のきらひなく、それぞれ縮図をした...
上村松園 「思ひ出」
...もう余すところは...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...余すところはないよ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...昭和改元の年もわずか二三日を余すばかりの時...
永井荷風 「百花園」
...自分は余す処なく霊廟の柱や扉の彫刻と天井や襖(ふすま)の絵画の一ツ一ツを茲(ここ)に写生し...
永井荷風 「霊廟」
...イエズスのことばはその情景を伝えて余すところがない...
永井隆 「この子を残して」
...そんな私をすこし持て余すようにしていたが...
堀辰雄 「幼年時代」
...幕府は自分で集めた浪士を持て余すありさまになった...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...さればこの時諸大衆今日この山頂に人頭の小虫醜陋(しゅうろう)なるが僧服を著て世尊を礼拝するは珍なものだと嘲ると、弥勒世尊一同に向い、孔雀好色あれど鷹、鶻鷂(こつよう)に食われ、白象無量の力あるを、獅子獣小さしといえども撮(と)り食らう事塵土(じんど)のごとし、大竜身無量にして金翅鳥(こんじちょう)に搏(う)たる、人身長大にして、肥白端正に好しといえども、七宝の瓶(かめ)に糞を盛り、汚穢(おわい)堪うべからず、この人短小といえども、智慧錬金のごとく、煩悩の習久しく尽き、生死苦余すなし、護法の故にここに住み、常に頭陀事(ずだじ)を行う...
南方熊楠 「十二支考」
...どうもと思えるので初めの二十枚余すっかりこねかえて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...もしわたしも、今なお自然の最初の規則のもとに自由で楽しい生活を送っているといわれるあの民族の中にいるのであったら、もっと積極的に、余すところなく、赤裸々に、自分を描き出してお目にかけたであろうと思います...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「一匹も余すな」と...
吉川英治 「三国志」
...持て余すような健康と智と豪気とを併せておられるような御肉体だ...
吉川英治 「私本太平記」
...持て余すほどな荷物なら...
吉川英治 「新書太閤記」
...余すところなく漲(みなぎ)ってゆくであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...持て余すばかりだった...
吉川英治 「平の将門」
...彼の余す防塁となってしまった...
吉川英治 「平の将門」
...側近く俯向(うつむ)いている彼の蓬々(ぼうぼう)とした月代(さかやき)を鮮(あざ)らかに照らして余す所がない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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