...祇園祭の屏風や、博物館の陳列の作品をかかさずに必ず出かけて行く、これと思ふものは殆んど、余す処なく、花鳥人物、山水のきらひなく、それぞれ縮図をした...
上村松園 「思ひ出」
...もう余すところは...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...今年も余すところはもう三ヶ月...
種田山頭火 「其中日記」
...もはや現実に存在する諸科学を余す処なく...
戸坂潤 「科学方法論」
...篇中の人物の性格と情緒とが余す所なく精細に叙述せられているのみならず...
永井荷風 「里の今昔」
...約束の五時半には僅に数分を余すのみであった...
松本泰 「日蔭の街」
...わずかに一筋を余す...
南方熊楠 「十二支考」
...「色情を抑えるにはその求める肉体を余すところなく見よ」と言ったこと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...余すところなく映画の中へ溶け込んでいた...
山本周五郎 「青べか物語」
...ひとりも余すものではない」「では...
吉川英治 「大岡越前」
...「一匹も余すな」と...
吉川英治 「三国志」
...いささか煩悩(ぼんのう)を余すのみ」と...
吉川英治 「三国志」
...持て余すような健康と智と豪気とを併せておられるような御肉体だ...
吉川英治 「私本太平記」
...さるを、そのようなお人よりの知遇(ちぐう)は身に余る過分(かぶん)なれどと、仰せられての上のことで」と、介は、正成が自分へ言ったことばどおりを、寸言も余すなく、また誇張もせず、前後一切の様子とともに、尊氏へ、そのまま語った...
吉川英治 「私本太平記」
...あるかぎりな矢を射尽(いつく)せ! 一ト矢も手に残しておくことはないぞ」一ト矢も余すなとの令は...
吉川英治 「私本太平記」
...――そこで彼は、持て余すまい、よく生かそうと、自己の天性を自己の努力で錬冶(れんや)している...
吉川英治 「新書太閤記」
...余すな」将門自身...
吉川英治 「平の将門」
...「そんな持て余す小僧なら...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索