...だが爆発までに余すところはたった三時間だったのである...
海野十三 「獏鸚」
...そのフレンスブルグの駅まで余すところ四時間ばかりの間に片付けなければならぬ...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...宮武外骨(みやたけがいこつ)氏の『筆禍史(ひっかし)』は委(つぶ)さにその事跡を考証叙述して余すなし...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...持て余すくらいなら製造しなければいいのだが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...嚢中(のうちゅう)わずかに五十法(フラン)を余すとき...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...腕時計を眺めるとちょうど正十二時! 午前四時までには余すところあと四時間となった...
久生十蘭 「魔都」
...約束の五時半には僅に数分を余すのみであった...
松本泰 「日蔭の街」
...これほど余すところなく注意が行届いているのにこれほどの死亡が生ずるのは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...労働は余すところなく食物の生産に充てられているように思われる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...仕方がないから牝牛を買って三月末三日を余すまで無事に飼ったが...
南方熊楠 「十二支考」
...わずかに一筋を余す...
南方熊楠 「十二支考」
...もしわたしも、今なお自然の最初の規則のもとに自由で楽しい生活を送っているといわれるあの民族の中にいるのであったら、もっと積極的に、余すところなく、赤裸々に、自分を描き出してお目にかけたであろうと思います...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...殆ど余すところなく参陣したかに思われる...
吉川英治 「上杉謙信」
...何しても、お袖の逮捕をきっかけに、これまでは、南北両奉行の間にも、暗闘として、伏せられていた事件の全貌が、白昼の話題にされ、五人組強盗の始末から、高札斬りの下手人、そして、越前守個人の過去につながるすべての問題まで、余すところなく、世間の耳に伝わった...
吉川英治 「大岡越前」
...ひとりも余すものではない」「では...
吉川英治 「大岡越前」
...縁故の者は一名も余すな」さらに...
吉川英治 「三国志」
...けれど四絃(げん)の変化と音色(ねいろ)は当道覚一流の玄妙をつくして余すところもなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...身をもて余すじゃろう...
吉川英治 「新書太閤記」
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