...何心(なにごころ)なく...
泉鏡太郎 「艶書」
...何心なく手で押へたので...
種田山頭火 「行乞記」
...……・汲みあげる水のぬくさも故郷こひしく・枯れようとして朝顔の白さ二つ石地蔵尊その下で釣る・暮れてとんぼが米俵編んでゐるところ・灯かげ月かげ芋の葉豆の葉(改作)一つ風景――親牛仔牛が、親牛はゆう/\と、仔牛はちよこ/\と新道を連れられて行く、老婆が通る、何心なく見ると、鼻がない、恐らくは街の女の成れの果だらう、鐘が鳴る、ぽか/\と秋の陽が照りだした、仰げばまさに秋空一碧となつてゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...俺達に話してくれないか」と探偵は別に何心ない好奇心を装ってたずねた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...それからそれと幾年も溯(さかのぼ)って何心なく考えて見ると...
永井荷風 「すみだ川」
...何心なく手に把(と)ると...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...何心なく下を見ると...
野村胡堂 「十字架観音」
...愛子は何心なくビルディングの前の街灯の下まで行くと...
野村胡堂 「九つの鍵」
...どうしても有明(ありあけ)を灯(つ)けさせない人です」「…………?」「何心なく部屋へ入ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は何心なく後ろの方――母屋の椽側を振り返りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何心なく美登利と見合す目つきの可愛(かわゆ)さ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...何心(なにごゝろ)なく美登利(みどり)と見合(みあは)す目(め)つまの可愛(かわゆ)さ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...文三は何心なくお勢の背後(うしろ)を通り抜けようとすると...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何心なく柱に倚って居ると...
宮本百合子 「餌」
...何心なく電車の窓より六甲武庫連山の天空を眺めしに...
武者金吉 「地震なまず」
...台盤所(だいばんどころ)へ来ておいでになって戸口へお呼びになった宮へ差し上げていたのをちょうどその時中宮の御前から出て来た大将が何心なく横目に見て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ある日いつものように何心なく帰って見ますと...
森鴎外 「高瀬舟」
...で汽車の窓から首を出して何心なく過ぎ行くプラットフォームを見ると...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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