...気軽に何心なく出したげで...
泉鏡花 「怨霊借用」
...なおもその辺の一冊々々を何心もなく漁(あさ)って行くと...
永井荷風 「すみだ川」
...何心もなくあるきゐたる夜...
永井荷風 「向嶋」
...愛子は何心なくビルディングの前の街灯の下まで行くと...
野村胡堂 「九つの鍵」
...何心なく帰って来ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「いやな流行(はや)りものにならなきゃいいが――」ガラッ八は何心なくそんな事を言って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何心なくフト振り返ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「御新造さんの弟さんで、米吉さんですよ」そう言って居るところへ、十七、八の前髪立の美少年が、何心ない様子で、チョロチョロとお勝手を出て来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は何心なく後ろの方――母屋の縁側を振り返りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何心なく拾い上げて見ました...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...糸子(いとこ)何心(なにごゝろ)なく見返(みかへ)して...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...何心(なにごころ)なく披(ひら)き見れば...
福田英子 「妾の半生涯」
...お勢も何心なく振り反ッてみて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...甲板に上り著くと同時に痰(たん)が出たから船端の水の流れて居る処へ何心なく吐くと痰ではなかった...
正岡子規 「病」
...「あの方は、私、級中で一番嫌いだわ、此の間もね、お裁縫室の傍にね、ホラ南天の木があるでしょう、彼処で種々お話をしていた時、私が何心なく、芳子さんにね、貴女は何故此の学校へお入りに成ったのって伺ったのよ...
宮本百合子 「いとこ同志」
...何心なく持っていた手鏡の中に小さく月がうつっている...
「鏡の中の月」
...或る日いつものやうに何心なく歸つて見ますと...
森林太郎 「高瀬舟」
...だけど兄さんは』とこの小娘は何心なく言つた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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