...上何心(なにごころ)なく...
泉鏡花 「海の使者」
...何心なく窓をあけて見ると...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...オシハの王が何心なくお馬にお乘りになつて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...……・汲みあげる水のぬくさも故郷こひしく・枯れようとして朝顔の白さ二つ石地蔵尊その下で釣る・暮れてとんぼが米俵編んでゐるところ・灯かげ月かげ芋の葉豆の葉(改作)一つ風景――親牛仔牛が、親牛はゆう/\と、仔牛はちよこ/\と新道を連れられて行く、老婆が通る、何心なく見ると、鼻がない、恐らくは街の女の成れの果だらう、鐘が鳴る、ぽか/\と秋の陽が照りだした、仰げばまさに秋空一碧となつてゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...何心なく見返ると...
永井荷風 「或夜」
...何心なく手に把(と)ると...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...何心なく寄り込んだは偶然にもかの女夫餅(めおともち)...
中里介山 「大菩薩峠」
...平生(へいぜい)何心なく身に着けて外へ出る黒木綿(くろもめん)の紋付さえ...
夏目漱石 「道草」
...何心なくフト振り返ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何心なく雀色(すゞめいろ)になつた往來を眺めて居た平次は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何心なく振り返りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兄(あに)といへるは何心(なにごゝろ)なく積重(つみかさ)ねたる反古紙(ほごがみ)を手(て)に取(と)りて見(み)れば...
樋口一葉 「うつせみ」
...何心なく其面(そのかお)を瞻上(みあ)げて尾を掉(ふ)る所を...
二葉亭四迷 「平凡」
...名札も附いていないし、頭文字(イニシャル)もないので、誰の荷物とも判定の下しようもないが、其処へ置き放しにする訳にもいかないので、掃除婦ベリイマンは、何心なく、そのスウツケイスの掛金に指を当ててみた...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...後世の俗俳家何心...
正岡子規 「俳人蕪村」
...何心の如き語を据(す)うることを好めり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...一昨日食堂車へわたるデッキの扉のガラスが破れた時、何心なく、――誰がわったの?ときいた...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...受持の先生は手紙をわたして戻って来た先生に何心なく...
宮本百合子 「「うどんくい」」
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