...ハッキリ何処やら分らしめへん...
海野十三 「蠅男」
...何処やらに船員上りと云った風な様子があった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何処やらにまだ姥桜(うばざくら)の色香さえもあって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...舶来種のまだ我(わが)邦土(ほうど)には何処やら居馴染(いなじ)まぬ花だが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...挙措(きょそ)動作が何処やら異っているので警戒しなくてはならないと見られた...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...何処やらの人が子供の時うつした写真だといふあどけないのを貰(もら)つて...
樋口一葉 「ゆく雲」
...半ばまだ何処やらに若いときの美しさを残していた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...牛若丸はつい何処やらの下僕の如く...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...このユーモアには何処やら淋しさがこもっているようではないか...
宮本百合子 「九月の或る日」
...何処やらに沢山の人が争ひて鬮(くじ)引くごとしわれも引きたし何にしろ大混雑のおしあひへしあひで...
藪野椋十 「「一握の砂」序」
...何処やらのおいしい最中(もなか)を買って来ると...
吉川英治 「江戸三国志」
...いかにも何処やらに覚えのある新九郎――して...
吉川英治 「剣難女難」
...早やさっきの二艘(そう)も何処やらに着き...
吉川英治 「新・水滸伝」
...何処やら旦那様のお話し振とよう似ておりましたが』『あっ……』愕然(がくぜん)としたように――然しさりげなく...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...また、何処やらで、嬰児(あかご)のさけび声がする...
吉川英治 「宮本武蔵」
...今は何処やら知れぬ人の行方(ゆくえ)を雲にながめるのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...まだ身体の何処やらに石油の余香を捧持してゐさうな...
若山牧水 「木枯紀行」
...ランプ部屋ではまだ何処やら勇ましかつたが...
若山牧水 「木枯紀行」
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