...何処やらで馬の強く立髪を振る音...   
石川啄木  「鳥影」 
...すると何処やらでくす/\と忍び笑いをするのが聞えて...   
谷崎潤一郎  「少年」 
...ものうげな顔の持ち主であるお久の何処やらに小春と共通なもののあるのが感ぜられた...   
谷崎潤一郎  「蓼喰う虫」 
...何処やらにまだ姥桜(うばざくら)の色香さえもあって...   
谷崎潤一郎  「蓼喰う虫」 
...その憂鬱な表情をまだ何処やらに残しながら...   
谷崎潤一郎  「痴人の愛」 
...何処やら武骨(ぶこつ)な点もあって...   
徳冨健次郎  「みみずのたはこと」 
...千歳村の人物だからね」と紺飛白(こんがすり)で何処やら品(ひん)の好い昨年母(おふくろ)をなくした仁左衛門さんが相槌をうつ...   
徳冨健次郎  「みみずのたはこと」 
...何処やらで単調な琉球蛇皮線(りゅうきゅうじゃびせん)の音がする...   
中島敦  「環礁」 
...本宅は三番町の何処やらにて表札を見ればむむあの人の家かと合点のゆくほどの身分...   
樋口一葉  「うつせみ」 
...何処やらに惚(ほ)れこみ...   
正岡子規  「旅」 
...牛若丸はつい何処やらの下僕の如く...   
三上於兎吉  「艶容万年若衆」 
...何処やらに沢山の人が争ひて鬮(くじ)引くごとしわれも引きたし何にしろ大混雑のおしあひへしあひで...   
藪野椋十  「「一握の砂」序」 
...何処やらのおいしい最中(もなか)を買って来ると...   
吉川英治  「江戸三国志」 
...いかにも何処やらに覚えのある新九郎――して...   
吉川英治  「剣難女難」 
...早やさっきの二艘(そう)も何処やらに着き...   
吉川英治  「新・水滸伝」 
...何処やら旦那様のお話し振とよう似ておりましたが』『あっ……』愕然(がくぜん)としたように――然しさりげなく...   
吉川英治  「死んだ千鳥」 
...まだ身体の何処やらに石油の余香を捧持してゐさうな...   
若山牧水  「木枯紀行」 
...ランプ部屋ではまだ何処やら勇ましかつたが...   
若山牧水  「木枯紀行」 
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