...昼頃何処やらで蕎麦を一杯宛食つただけなのに...
石川啄木 「天鵞絨」
...さて何処やらに若い娘のキモノでも絡まり込んでいないかなと注意して見たんです...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...すると何処やらでくす/\と忍び笑いをするのが聞えて...
谷崎潤一郎 「少年」
...その憂鬱な表情をまだ何処やらに残しながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...何処やら武骨(ぶこつ)な点もあって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...何処やらで単調な琉球蛇皮線(りゅうきゅうじゃびせん)の音がする...
中島敦 「環礁」
...何処やら野暮くさいが...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...何処やら年齢のつろくせぬ不思議な女が乗合わせた...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...挙措(きょそ)動作が何処やら異っているので警戒しなくてはならないと見られた...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...或る夜の月に下(した)坐敷へは何処やらの工場の一連(む)れ...
樋口一葉 「にごりえ」
...何処やらの人が子供の時うつした写真だといふあどけないのを貰(もら)つて...
樋口一葉 「ゆく雲」
...何時か赤瀬の大将が何処やらの温泉に女を拵えているということを誰からか聞いたことがあった...
火野葦平 「糞尿譚」
...その女は何処やら由緒ありそうに...
堀辰雄 「曠野」
...半ばまだ何処やらに若いときの美しさを残していた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...何処やらに惚(ほ)れこみ...
正岡子規 「旅」
...牛若丸はつい何処やらの下僕の如く...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...今は何処やら知れぬ人の行方(ゆくえ)を雲にながめるのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ランプ部屋ではまだ何処やら勇ましかつたが...
若山牧水 「木枯紀行」
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