...そして彼等は一人のフィリッピンの学生をつかまえて何やかやとひつっこく尋ねていた...
大杉栄 「日本脱出記」
...やはり何やかやといろいろな交渉を持っていていざ引揚げるとなると...
橘外男 「逗子物語」
...何やかやと手が離せなえで……」とたちまち兄が...
橘外男 「仁王門」
...何やかやとベントレイお婆さんがよく気をつけてくれたけれど...
谷譲次 「踊る地平線」
...何やかやとひめぎみたちにまで御しんもつをなされまして...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...言っておりますよ……何やかやとな...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...そのほかに何やかやと――まあ臨時加俸とか...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そして二人で何やかやと...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...何やかやとはなしをしている中に...
永井荷風 「西瓜」
...毎日午後に、下谷御徒町(したやおかちまち)にいた師匠むらくの家に行き、何やかやと、その家の用事を手つだい、おそくも四時過には寄席の楽屋に行っていなければならない...
永井荷風 「雪の日」
...何やかやと悪く言うが...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...弁才天女の御来迎(ごらいごう)!」何やかやと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...何やかやともの入りもおましたよつて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...何しろ、この十年の間には、あれほど心臓を悪くして、やっとなおしたかと思うと、いつかの夏のように、微熱を出したり、目を悪くしたりして、考えてみれば、夏のたびにいくらかずつ健康が低下して来ていた処に、ガッタリと根本から打撃を受けましたから、何やかやと、妙な故障が続発するわけでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何やかやと別荘の人たちのために引っぱり出されることも多いようでした……高原の林に遠く近く鳴きかわす山鳩の声...
三好十郎 「樹氷」
...敦子 いえね、戦争がすんで直ぐ、こちらへお墓参りにと思っていたけど、何やかやと、ゴタゴタしていてね、そこへ四五日前に杉夫が戻って来て、いえ、まだ外地に渡っていなかったので早かった...
三好十郎 「樹氷」
...何やかやとそうしたことについて話し合っているが浮舟は耳に聞こうともしない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そのうちおっ母さんが何やかやと用事にかこつけては馬淵の家を訪ねてくる...
矢田津世子 「神楽坂」
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