...「何しろ三浦は何によらず...
芥川龍之介 「開化の良人」
...仏の方のことは無論であるが骨董(こっとう)的な器物は何によらず鑑識に富んでおりました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...技術家は何によらず自分の使用する道具を酷愛するようになる...
高村光太郎 「小刀の味」
...何によらず、飛行機の窓からけっしてものを棄てないように願います...
谷譲次 「踊る地平線」
...何によらず官庁の公式発表以外のものは流言飛語浮説の類と見做される勢であったから(不穏文書等取締法案などがその宣伝となった)...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...何によらず体育の遊戯にかけては...
永井荷風 「すみだ川」
...こう云う過去の歴史を持っていて、この過去の歴史以外には、一歩も踏み出して考える事を敢てしない長井は、何によらず、誠実と熱心へ持って行(ゆ)きたがる...
夏目漱石 「それから」
...何によらず炭坑街で...
林芙美子 「新版 放浪記」
...窮極のところ、金の圏囲内で行われることは、何によらず、そう大して面白味のあるものではなく、放蕩にしろ濫費にしろ、やるだけやって見ると、あとには手のつけられない虚無感と倦怠が残るだけのことである...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...何によらず出来甚だよく...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...『なんだ、あいつも帳附をしていた頃は、頭をおかっぱにしていたじゃないか!』とにかく、富とか安逸の匂いのするものは、何によらず、彼には自分でも訳の分らない異常な印象を与えたのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...気前の好い人々を拝み倒して手に入れた品は何によらず亭主の眼の届かぬところへ蔵(しま)ひこみ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...尤も何によらず当節は良くなつた良くなつたと申してをるやうでございますけれど...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...彼女は、何によらず、規則正しい仕事をするのになれてゐなかつたのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私は何によらず珍しいものは何でも手で触ってみることにしている...
宮城道雄 「触覚について」
...何によらず妹の肩を持つほうであったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その他何によらず出来るだけ眼に付かぬように正さねばならぬ...
夢野久作 「能とは何か」
...私も何によらず御相談を願っている方でございます...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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