...Iに対しても何となしに一種の軽侮を感じ始めた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...何となしに、あはれには聞ゆれど、涙は出さうにも無し...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...何となしに死骸の方が気になります...
田中貢太郎 「死人の手」
...何となしにうれしくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...何となしに一種の不安をかれ等に誘つた...
田山録弥 「浴室」
...何となしに物の哀れを感じ侍(はべ)る...
寺田寅彦 「柿の種」
...ともかくもあの頃の『ホトトギス』には何となしに活々(いきいき)とした創成の喜びと云ったようなものが溢れこぼれていたような気がするのであるが...
寺田寅彦 「明治三十二年頃」
...何となしにジャン・バルジャンを読ませようとしたのも...
徳田秋声 「縮図」
...何となしに怖いような...
徳永直 「工場新聞」
...それも、私の方がさきに、何となしに、物怯気(ものおじけ)していた...
徳永直 「戦争雑記」
...まず何となしにばかばかしくなる...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁信が附いて行くことが何となしに心恃(こころだの)みになるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...また何となしに記憶を呼び起され...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ早いから、誰もこの立場へ立寄ったものはないらしいが、火だけは、人がいても、いなくても、ひねもす夜もすがら燻(くすぶ)っているから、自然、何となしに、人間の温か味も絶えないように見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを聞くと何となしに...
中里介山 「大菩薩峠」
...いまも何となしに正三に安堵の感を抱かせるのであつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...何となしに彼は吻(ほっ)とした...
原民喜 「火の唇」
...……そこに何となしに...
正宗白鳥 「雨」
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