...何となしに煤(くす)んで...
石川啄木 「菊池君」
...何となしうれしく楽しくなってきた...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...何となしに一種の不安をかれ等に誘つた...
田山録弥 「浴室」
...何となしに閑寂な趣のある好い土地だと思ふ...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...ともかくもあの頃の『ホトトギス』には何となしに活々(いきいき)とした創成の喜びと云ったようなものが溢れこぼれていたような気がするのであるが...
寺田寅彦 「明治三十二年頃」
...融はMのことが何となし頭脳を曇してゐたので...
徳田秋聲 「歯痛」
...何となし相手の気持をもって行かれそうな感じであった...
徳田秋声 「縮図」
...何となしぽっとした逆上気味(のぼせぎみ)になり...
徳田秋声 「縮図」
...それが何となし惨(みじ)めくさく感ぜられた...
徳田秋声 「風呂桶」
...また何となしに記憶を呼び起され...
中里介山 「大菩薩峠」
...深い木立の間を雲霧にぬれて漸く山巓について何となし人寰を離れた感じで居る所へこんな烏が飛んで來たのは更に別天地のやうに思はれた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...これは僕が学生の頃下宿してゐた六畳の部屋に似てゐて、何となしに、この世のはてのやうな孤独の澱みが感じられる...
原民喜 「災厄の日」
...何となし先生に対して依頼心のつよい...
宮本百合子 「生きるための協力者」
...私たちは今年の暮は、何となし愉しい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それは今何となしうるおされている部分が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何となしぽーとして坐っているの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何となし心あたたまる心持は何と微妙でしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何となしに涙を落したことを覺えて居る...
若山牧水 「樹木とその葉」
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