...鋭い歯はありませんけれども何せ力が強うございますから...
太宰治 「黄村先生言行録」
...がらがらと表の戸のあく音が聞えて、「先生、持ってまいりました」という若い男の声がして、「何せ、うちの社長ったら、がっちりしていますからね、二万円と言ってねばったのですが、やっと一万円」「小切手か?」と上原さんのしゃがれた声...
太宰治 「斜陽」
...而も彼れの位地及び人物は此の點に於て黨人の望を繋ぐに足らざるを如何せむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...是れ哲學者にして政治家に非ざるを如何せむ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...是れ哲学者にして政治家に非ざるを如何せむ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...何せ食糧が足らないので無理もありません...
原民喜 「書簡」
...不自由無權力の有樣に陷りたらば如何せん...
福沢諭吉 「帝室論」
...其藝術の中には全く今日に無用なるものあるを如何せん...
福沢諭吉 「帝室論」
...何せよほど熟練な水夫たちが漕(こ)いですばやく船からはなれていましたから...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...が、何せよ、五体ままならぬ重蔵、ともすると、鉄壁の構えに一毛の破綻(みだれ)を生じて、無念や、一ヵ所二ヵ所と、虚無僧衣(ごろも)を染めてゆく、掠り傷の血痕(けっこん)が増して見えた...
吉川英治 「剣難女難」
...佐々木、早よう何とかならんかな」「ならぬかとは」「ご処置の決定だ」「そこは、鎌倉表においても、あらゆる議事を尽しておりましょうが、ほかならぬ前天皇のことですから」「うかと断(だん)を下(くだ)せぬのは分りきっているが、何せい、こう延々(のびのび)では、ここが堪(たま)らぬよ、仲時もほとほと疲れた」「まこと、今暁のように、残党どもの出没もあり、ややもすれば、先帝奪回とか、先帝御殺害などの風説もあっては、お気の休まるひまもありますまい」「それらはまあいい...
吉川英治 「私本太平記」
...有難く、おうけいたすべきにはございましょうが、如何せん浅学で、堂上方(どうじょうがた)の御格式すらも、よう弁(わきま)え申しませぬ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...――何せい、慈円僧正がいなくなっては、いよいよ、これから吉水と叡山(えいざん)とは、うるさいことになろうぞ」「上人のところへは、まだ、僧正からなんの御消息もないのかしら」「あるまい、不意なことだ...
吉川英治 「親鸞」
...「えらい人出じゃの」「何せい...
吉川英治 「親鸞」
...――のみならず、極く、近ごろのうわさによれば、その豊前の僧都(そうず)をはじめ、十二坊の優婆塞(うばそく)の輩(ともがら)が、かくては安からじと、この稲田の草庵を法敵と見なし、街道や諸郡へは、邪教を調伏(ちょうぶく)せよと、愚民をそそのかし、一方、板敷山(いたじきやま)には、呪詛(じゅそ)の壇をしつらえて、日々夜々、山伏の群れが、念仏滅亡、上人(しょうにん)調伏の護摩(ごま)を焚(た)き、精と根のあらんかぎり、親鸞を呪殺(じゅさつ)せずばおかぬといっているそうでございます」村の人々も、蓮位のことばの後を継いで、「何せい、怖ろしい修験者でござりますな」「役(えん)の小角(しょうかく)の再来じゃと、人もいい、自分もいうておりますげな...
吉川英治 「親鸞」
...その間にとくと見定めておきたいが、どこじゃ、その男女(ふたり)が隠れた部屋は?」「それと見た時に母屋(おもや)の下も探りましたなれど、何せい、床下からはその見当がつきませぬ」「念を入れて身を潜(ひそ)めば、気配ぐらいは分る筈、もう一度忍んでみい」「はっ」「その男女(ふたり)から寸間(すんかん)も目を離してはならぬ」「心得ました、では」と、床下の影がズリ退ろうとすると、「待て待て」と呼び止めた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...宗廟と会同とは諸侯にあらずして如何せん...
和辻哲郎 「孔子」
...匡人(きょうじん)それ予を如何せん...
和辻哲郎 「孔子」
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