...お芳は又いつの間にか何ごともあきらめ切ったらしいお鳥の嫉妬(しっと)を煽(あお)っていた...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...宣教師は何ごとも忘れたように小さい横文字の本を読みつづけている...
芥川龍之介 「少年」
...何ごとも懺悔(ざんげ)したい欲望を感じた...
芥川竜之介 「歯車」
...やがて何ごともなかつたように舟の男女は笑い興じながら漕いで行く...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...何ごともなかったような暗闇の廃工場であった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...何ごともなかったかのように...
壺井栄 「二十四の瞳」
...だが ときをりは嘗て見た何かの外套(マントオ)のやうな巨大な闊葉の披針形が月光のやうに私の心臓に射し入つてゐたこともあつたが……恥らひを知らぬ日(にち)々の燥宴のさなかにある日(呪はれた日)私の暴戻な肉体は大森林の暗黒の赤道を航過した!盲ひたる 酔ひしれたる一塊の肉 私の存在は何ごともなかつたものゝやうにやはり得々と 弾力に満ちてさまざまの樹幹の膚の畏怖の中を軽々と摺り抜けて進んでは行つたが...
富永太郎 「原始林の縁辺に於ける探険者」
...しかしその後何ごともなかった...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...その街が何ごともなく無疵のまま残されること...
原民喜 「壊滅の序曲」
...妻の顔は何ごとも応(こた)えなかった...
原民喜 「死のなかの風景」
...「何ごとも起こらなかったし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...まるで部屋の外ではほんとうは何ごとも起こるはずがないっていうようなの...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...もう何ごとも彼を救うことはできず...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...まるで何ごとも見なかったかのように身をそむけた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...正直を捨つる時は何ごとも成らず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...何ごとも』『路銀などはございますか』『失くしておりませぬ』それを聞くと...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...不孝の罪! ……どうか許して下さいまし」「何ごとも災難だ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...何ごともざっくばらんにぱっぱとやってのける癖がついていた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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