...そんなに卑劣には何がしたのだろう?自分の力でたつ事が出来ないものは...
伊藤野枝 「転機」
...」「しかし……」「何がしかしだ...
犬田卯 「瘤」
...さるに、明治十六年の事なりき、阿波の人井上勤君、編輯局に入り來られぬ、同君、まづ局長に會はれし時に、局中には學士も濟々たらむ、何がし、くれがし、と話しあはれたる時、局長のいはるゝに、「こゝに、ひとり、奇人こそあれ、大槻のなにがしといふ、この人、雜駁なる學問なるが、本邦の語學は、よくしらべてあるやうなり、かねて一大事業をまかせてより、今ははや十年に近きに、なほ、倦まずして打ちかゝりてあり、強情なる士にこそ」と、話されぬと、井上君入局して後に、ゆくりなくおのれに語られぬ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...一体何がしまわれているのだろう...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...何がしてあげられます...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...この隣村の何がし村の聞き違えではないか...
近松秋江 「狂乱」
...そんな贈り物をしてやった! しかし彼女達は私に社交界での過ごし方に関する何がしかの教訓を与えてくれただけだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...聞くともなしに伝へ聞くその明けの日は信如が何がしの学林に袖の色かへぬべき当日なりしとぞ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...父が詩文の友成ける何がしの伯父來あひて...
樋口一葉 「反古しらべ」
...二十四円何がしの計算書を見た刹那には...
火野葦平 「糞尿譚」
...(本當に何がしあはせになるか分からない)...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...第一どこに何がしまってあるんだか少しも分らない」などと呟(つぶや)いていた...
牧野信一 「地球儀」
...本郷の金助町に何がしを訪うての帰り例の如く車をゆるゆると歩ませて切通(きりどおし)の坂の上に出た...
正岡子規 「熊手と提灯」
...朋輩(ほうばい)の何がしは三年のつとめ済んで...
正岡子規 「旅」
...野中にある何がし様のお下屋敷の塀の内へ飛んではいつた...
正岡子規 「蝶」
...何がしといふ若者は...
三好達治 「海辺の窓」
...何がしランプの広告灯ののつかつてゐるのなんかも...
三好達治 「銀座街頭」
...自分に何がしてやれるかと考えると...
吉川英治 「私本太平記」
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