...恵印は日頃から奈良の僧俗が何かにつけて自分の鼻を笑いものにするのが不平なので...
芥川龍之介 「竜」
...若夫婦は、のんびりしていて、何かにつけて、しまりがない...
太宰治 「春の盗賊」
...右手の親指のあかぎれが何かにつけて不自由を感じさせる...
種田山頭火 「松山日記」
...何かにつけて先立つものは無念の涙だ...
近松秋江 「うつり香」
...何かにつけてすぐに「親一人子一人」と哀(あはれ)ツぽい事を云出(いひだ)す母親の意見を聞いてゐた...
永井荷風 「すみだ川」
...自分の父を何かにつけて標準に置きたがる細君は...
夏目漱石 「道草」
...ロワール以北の人間が何かにつけて不確定な状態に留まっていたりするのを許せない...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そういう姉の影響が、お前が年頃になるにつれて、突然、それまでの兄たちの影響と入れ代ったのであろうか? それにしてもお前が、何かにつけて、私を避けようとするように見えるのは何故なのだ? それが私には分らない...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...何かにつけていまこの自分を引き立ててくれていておくんなさる文楽師匠のお名前へ...
正岡容 「小説 圓朝」
...何かにつけて後から後から出銭が多い...
正岡容 「小説 圓朝」
...わが邦近来何かにつけて...
南方熊楠 「十二支考」
...何かにつけて思い出したように「女らしさ」が登場して来る...
宮本百合子 「「女らしさ」とは」
...何かにつけ細かに心づけて呉れるものは...
宮本百合子 「暁光」
...何かにつけて怨(うら)みがましくものを言う近ごろの様子に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何かにつけてそのことを言い出しては...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...根は正直で小心な人物とみえ、何かにつけて、直ぐそれが出るし、出れば、上野介は今でも、語気を昂(たか)ぶらせて、ただならぬ顔色を作るのだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...何かにつけて云われていたので――何うしたら...
吉川英治 「夏虫行燈」
...また、何かにつけ、仏法や儒学(じゅがく)など持ち出すのも、清盛は気にくわない...
吉川英治 「源頼朝」
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