...勃凸をすげなく蹴りつけることもあつた...
有島武郎 「骨」
...彼の手をすげなく振り切って...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...見るみるすげなく遠ざかって行くのだった...
高見順 「如何なる星の下に」
...女をひとりすげなく帰すのは...
太宰治 「断崖の錯覚」
...・酔ひざめの春の霜・藪かげほつと水仙が咲いてゐるのもみんな酔うてシクラメンの赤いの白いの・風がふくひとりゆく山に入るみちで・すげなくかへしたが...
種田山頭火 「其中日記」
...すげなく断つた(銭もないのだが)...
種田山頭火 「松山日記」
...――誰れにもやられたのではない』と相手は息を切らしながら云った――『ただ……ああ!――ああ!』……『――ただおどかされたのか?』と蕎麦売りはすげなく問うた『盗賊(どろぼう)にか?』『盗賊(どろぼう)ではない――盗賊(どろぼう)ではない』とおじけた男は喘ぎながら云った『私は見たのだ……女を見たのだ――濠の縁(ふち)で――その女が私に見せたのだ……ああ! 何を見せたって...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「貉」
...お角さんの社交的儀礼をすげなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...モルガンの願いはすげなくされた...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...すげなく座を立つわけにもいかない...
久生十蘭 「あなたも私も」
...水一杯振舞われずにすげなく追い返された覚えがある...
久生十蘭 「魔都」
...向うですげなくすればするほど...
堀辰雄 「菜穂子」
...すげなく突き放したならば...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...」と私はすげなく答えた...
水野葉舟 「黄昏」
...長者はすげなく断って追い出すように門をしめる...
柳田国男 「年中行事覚書」
...おくにからすげなく拒絶されたころと符合する...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...しかしそう揃(そろ)ってみんなにすげなくされることは...
山本周五郎 「柳橋物語」
...薬価の算段に歩いても何処でもすげなく断られ...
吉川英治 「源頼朝」
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