...殊に今度の次の内閣には国務大臣にならるゝ筈ぢやから牛飼君の客(かく)となるは将に大いに驥足(きそく)を伸ぶべき道ぢや...
内田魯庵 「貧書生」
...「その時が日本の驥足(きそく)を伸ぶべき時...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...日本の勢力の支那の市場に伸ぶる事を甚だ喜ばない...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...精神界に伸ぶる也...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...若し知己を得れば、其才伸ぶべきも、知己を得ずんば、末路慘憺たらざるを得ず...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...かくて重藏の才少しく伸ぶるを得たり...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...常に伸ぶることを得然(しか)してその鬱屈に方(あた)つてや四十七人を生ず乃(すなは)ち知る...
中里介山 「大菩薩峠」
...女は光る魚介のたぐひみなそこ深くひそめる聖像われ手を伸ぶれど浮ばせ給はずしきりにみどりの血を流しわれはおんまへに禮拜す遠くよりしも歩ませ給へばたちまち路上に震動し息絶ゆるまでも合掌すにちにち都に巡禮しもの喰(は)まざればみじめに青ざめおん前にかたく瞳(め)をとづる...
萩原朔太郎 「供養」
...国中の人民に独立の気力なきときは一国独立の権義を伸ぶること能(あた)わず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...外にありて外国人に接するときもまた独立の権義を伸ぶること能わず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...家内の事務はその力を伸ぶるを得ず...
福沢諭吉 「教育の事」
...われは年来如意(にょい)と申す物を造るため牛角を伸ぶるにかかる小蛇の油を取ってするなり...
南方熊楠 「十二支考」
...利根の砂山赤城おろしはひゆうひゆうたりひゆうたる風のなかなれば土筆は土の中に伸ぶなにに哀しみ立てる利根の砂山よしや...
室生犀星 「抒情小曲集」
...さし伸ぶる章魚(たこ)の足めく小枝なり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...手をさし伸ぶるファウヌスには美しき限の女...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...及ばぬ方(かた)へ手を伸ぶる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...われは戦(をのゝ)く身を屈(かゞ)めて闇(やみ)の底に冷たき手をさし伸ぶ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...はつ夏うす日さす梅雨の晴間に鳴く虫の澄みぬる声は庭に起れり雨雲のけふの低きに庭さきの草むら青み夏虫ぞ鳴く真白くぞ夏萩咲きぬさみだれのいまだ降るべき庭のしめりにコスモスの茂りなびかひ伸ぶ見れば花は咲かずもよしとしおもふいま咲くは色香深かる草花のいのちみじかき夏草の花朝夕につちかふ土の黒み来て鳳仙花のはな散りそめにけり伊豆紀行二月九日...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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