...彼女は悩みを伏目せずに話してくれた...
...伏目したまま答えないのは無礼とされることが多い...
...彼は緊張して伏目していたが、やがて勇気を出して自分の意見を述べた...
...試験中は伏目せずに自分の答えを書こう...
...伏目は謙虚な態度を表すが、適切に使わなければ印象を悪くすることもある...
...伏目になった辰子の姿――ポオト・ワインに暖められた心には...
芥川龍之介 「路上」
...二伏目(ふしめ)にたたすあえかさに...
薄田淳介 「白羊宮」
...彼の側近くへ坐ったまま伏目になって黙っていた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...伏目(ふしめ)になって...
太宰治 「正義と微笑」
...長火鉢へだてて、老母は瀬戸の置き物のように綺麗に、ちんまり坐って、伏目がち、やがて物語ることには、――あれは、わたくしの一人息子で、あんな化け物みたいな男ですが、でも、わたくしは信じている...
太宰治 「火の鳥」
...伏目がちの、おちょぼ口を装うこともできるし、たったいまたかまが原からやって来た原始人そのままの素朴の真似もできるのだ...
太宰治 「もの思う葦」
...実は、少しからだの工合いおかしいのでして、などと、せっぱつまって、伏目がちに、あわれっぽく告白したりなどするのだが、一日にバット五十本以上も吸い尽くして、酒、のむとなると一升くらい平気でやって、そのあとお茶漬を、三杯もかきこんで、そんな病人あるものか...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...あの伏目がちになつた眼を上げ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...あの男の内気そうな伏目がちな眼の中の...
豊島与志雄 「常識」
...伏目がちにこちらを透し見やった時...
豊島与志雄 「反抗」
...そんなことを知った者は一人だってありゃしません」雲衲(うんのう)は伏目になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...伏目に見ながらの応対です...
中里介山 「大菩薩峠」
...勘次(かんじ)は始終(しよつちう)手拭(てぬぐひ)を以(もつ)て捲(ま)いた右手(めて)の肘(ひぢ)を抱(かゝ)へるやうにして伏目(ふしめ)に歩(ある)いた...
長塚節 「土」
...伏目がちの妻は韮山笠(にらやまがさ)を差しだしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...いつも伏目の、控え勝ちの、ジッと寄辺なく物思いに沈んでいるような風情――一にも二にも圓朝はそこに心を魅かれた...
正岡容 「小説 圓朝」
...女は始終伏目がちに...
山川方夫 「愛のごとく」
...指環(ゆびわ)の星の光る手で少し伏目に物を読み...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...日曜の鐘を聞いて白いレエスの帽を被(かぶ)つた田舎(ゐなか)娘が幾人も聖書を手にし乍(なが)ら坂路(さかみち)を伏目勝(がち)に御(お)寺へ急ぐ姿も野趣に富んで居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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血のバレンタイン