...彼女は悩みを伏目せずに話してくれた...
...伏目したまま答えないのは無礼とされることが多い...
...彼は緊張して伏目していたが、やがて勇気を出して自分の意見を述べた...
...試験中は伏目せずに自分の答えを書こう...
...伏目は謙虚な態度を表すが、適切に使わなければ印象を悪くすることもある...
...伏目に辰吉の彳(たたず)んだ容子(ようす)は...
泉鏡花 「浮舟」
...ト伏目(ふしめ)で見(み)た...
泉鏡太郎 「艶書」
...――伏目にさしぐみし日はみまかりぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...二伏目(ふしめ)にたたすあえかさに...
薄田淳介 「白羊宮」
...黙って伏目になっていると...
相馬泰三 「六月」
...伏目(ふしめ)になって...
太宰治 「正義と微笑」
...長火鉢へだてて、老母は瀬戸の置き物のやうに綺麗に、ちんまり坐つて、伏目がち、やがて物語ることには、――あれは、わたくしの一人息子で、あんな化け物みたいな男ですが、でも、わたくしは信じてゐる...
太宰治 「火の鳥」
...こらっ!八ポポー(伏目になって登場)あの...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...伏目がちの横目で...
豊島与志雄 「二つの途」
...伏目になつて進んだ...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...勘次(かんじ)は始終(しよつちう)手拭(てぬぐひ)を以(もつ)て捲(ま)いた右手(めて)の肘(ひぢ)を抱(かゝ)へるやうにして伏目(ふしめ)に歩(ある)いた...
長塚節 「土」
...自分は伏目になってこの御膳の光景を見渡した時...
夏目漱石 「坑夫」
...安は白足袋の爪先をきっちりと揃え、伏目になって、なにかかんがえているふうだったが、「伊作は、もう日本へ帰って来ないだろうと、ずっと前から覚悟していたのよ」と、だしぬけに、そんなことをいいだした...
久生十蘭 「野萩」
...顔を薄くあからめて伏目がちな娘たちの腰に腕をまいて親しそうに押し合っています...
フランス Anatole France 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...伏目がちの妻は韮山笠(にらやまがさ)を差しだしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...「ええ、もう、大したお讃(ほ)めで――」と、雪之丞は唆(そそ)り立てて、「その上、わたくしにはわかりませぬが、何か、よほどむずかしげなお噂(うわさ)もありましたようで、あなたさまについてのお話ゆえ、一生懸命理解いたそうといたしましたが、くわしゅうはのみ込めませず、残念に存じました」「わが身についての、むずかしい噂――」広海屋は緊張して、「気にかかるな? 何事か聴かしてくれ」一二雪之丞は、広海屋が、こちらの口車に乗せられ、ぐんと乗り出して来るのを、浅間(あさま)しいものに眺めながら、「只今も申しますとおり、わたくしなぞには、良く、呑み込みのいかないお話でござりましたが、何でも、貴方(あなた)さまが、一決心なされました、お持米(もちまい)とやらを、東(あずま)におまわしになりませば、大したことになるであろう――と、いうようなことを、しきりに仰有(おっしゃ)ってござりました」「何と?持米(もちまい)を東に廻す!」広海屋はするどい目つきになって、「それは、どんなわけなのか?」「わたくしが伺いましたところでは、あなたさまは、海産物とやらばかりではなく、上方、西国で、沢山にお米を買い蓄(た)めておいでなそうで――」雪之丞が、相手をみつめると、「ウム、いかにも――」と、広海屋は、いくらか得意そうにうなずいて、「何百万石という米を、実は妙なゆきがかりから、去年この方手に入れたところ、今年の東の凶作(きょうさく)――もうしばし持ちこたえていたら、莫大(ばくだい)な利得が生まれようとまずたのしみにしている次第だ」「お武家さまたちの仰せでは、そのお米を、あなたさまが、男なら、一度に江戸にお呼びになり、こちらの米価とやらを、一朝に引き下げておしまいになると、お名前が上下にぱッと輝くばかりか、関東米相場の神さまにもお成りになり、一挙に、江戸一の勢いをお示しになれるに相違ないに、何をためらっているのであろう――やはり、町人と申すものは、目前のことにのみ、心を引かれて、大きな企(もくろ)みが出来ぬと見える――と、まあ、あの方々でござりますから、そんな無遠慮なことも仰(おお)せられておりました」「ふうむ――その方々が、そのように仰せられていたか? ふうむ」と、広海屋は、腕を組んで、伏目をつかって、「この広海屋が、男なら、上方西国の手持ちの米を、思い切って東(あずま)に呼び、江戸市中の米価を引き下げ一時の損をして、未来の得を取るべきだ――と、つまりはそんなことをいわれていたのだな?」「いかにも左様で――その暁には、上つ方のお覚えよくなるは勿論(もちろん)、江戸の町人で、あなたさまに頭のあがるものもなくなるであろうに――と、まで仰せになりましたが――」「ううむ、成るほどなあ、御もっともなお言葉だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ひと頃のように枕の上から自然にみえる範囲の伏目勝ちでどっちへも目玉が廻せないという様な有様から比べれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...伏目勝ちのお顔...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
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