...さうして未だ見えざるものを未だ見えずとして、謙り、嘆き、仰ぎ見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この頃ならでは仰ぎ見るべくもない...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...梢(こずゑ)の方に赤い肌(はだ)を見せたりして仰ぎ見るばかりに堂々たるものとなつた...
相馬泰三 「夢」
...忽(たちま)ち夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...仰ぎ見ることは出来ませんでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...外へ出て仰ぎ見ると...
種田山頭火 「其中日記」
...若芽の伸びてる方向を辿って仰ぎ見ると...
豊島与志雄 「道連」
...小泉さんはA女を仰ぎ見るようにしました...
豊島与志雄 「霊感」
...仰ぎ見ることさえしないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方天高く遙かに仰ぎ見る如き額(ぬか)づいた心で居ながら...
長與善郎 「青銅の基督」
...この生の深みより仰ぎ見るおんみたちの静けさ...
原民喜 「鎮魂歌」
...一人として大親分の顔を仰ぎ見るものもない...
久生十蘭 「魔都」
...かの豚でさえ崇敬の念をもって彼を仰ぎ見るのである...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...何んだか絶えず不透明なものを仰ぎ見るような眼付をしていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...なほ褪色ある春花を曇天の梢に仰ぎ見るやうなうら寂しさを感じるのである...
室生犀星 「忘春詩集」
...川を隔てゝ緑葉の重々と繁り合つてゐるのを仰ぎ見る心地好さ...
吉江喬松 「山岳美觀」
...いま天文を仰ぎ見るに...
吉川英治 「三国志」
...仰ぎ見る山の上の雲の輝きは何と云つてももう夏である...
若山牧水 「樹木とその葉」
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