...一時火のように何物をも焼き尽くして燃え上がった仮初(かりそ)めの熱情は...
有島武郎 「或る女」
...ただ仮初(かりそ)めの恋にも愛人の頬(ほお)はこけるではないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その年が暮れに迫った頃お前達の母上は仮初(かりそめ)の風邪(かぜ)からぐんぐん悪い方へ向いて行った...
有島武郎 「小さき者へ」
...中村屋では割引など仮初(かりそめ)にも出来ないほんとうの正価に据えられているのであって...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...仮初(かりそめ)の同棲者(どうせいしゃ)らしいのだと云うことであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...仮初(かりそめ)の格子門(かうしもん)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...一 女子は稚時(いとけなきとき)より男女の別(わかち)を正くして仮初(かりそめ)にも戯れたることを見(み)聞(きか)しむべからず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...幼稚の時より男女の別を正くして仮初(かりそめ)にも戯れたる事を見聞せしむ可らずと言う...
福沢諭吉 「女大学評論」
...仮初(かりそめ)にも実父母を重んじて舅姑を軽んずる勿れ...
福沢諭吉 「女大学評論」
...其気品高からずして仮初にも鄙陋不品行の風あらんには...
福沢諭吉 「新女大学」
...仮初(かりそめ)にも俗な卑陋(びろう)な事はしられないものだと育てられて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮初(かりそめ)にも隠居などゝ呼棄(よびすて)にする者は一人(ひとり)もない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...今度は仮初(かりそめ)にも一家の主人であるから願書を出さなければならぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...西洋流など云うことは仮初(かりそめ)にも通用しない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮初(かりそめ)にも自分から進(すすん)で行きたいと云うのであるから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...嫌疑を憚らず左様(そう)いう訳(わ)けで私は若い時から婦人に対して仮初(かりそめ)にも無礼はしない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮初(かりそめ)にも無法な事をして勉強し過ぎるな...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...今己の最後の仮初(かりそめ)ならぬ一歩を引き留めたのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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