...しかし初冬が訪れると間もなくミチミは仮初(かりそめ)の風邪から急性の肺炎に侵されるところとなり...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...師匠の仮初(かりそめ)の楽しみが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...これまで育て上げた娘(こ)をほんの仮初(かりそめ)の病で手もなく奪(と)られましたことは...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...そのほどほどの人妻に成りたるものとやいはまし――仮初(かりそめ)の筆すさび成りける枕の草紙をひもとき侍(はべ)るに...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...仮初(かりそめ)の格子門(かうしもん)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...枕(まくら)に小抱卷(こがいまき)仮初(かりそめ)にふし給(たま)ひしを...
樋口一葉 「われから」
...仮初にも背(そむ)く可らず...
福沢諭吉 「新女大学」
...其気品高からずして仮初にも鄙陋不品行の風あらんには...
福沢諭吉 「新女大学」
...一様に之を愛して仮初にも偏頗(へんぱ)なきは...
福沢諭吉 「新女大学」
...西洋流など云うことは仮初(かりそめ)にも通用しない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...以来新入生に遇(あっ)て仮初(かりそめ)にも左様(さよう)な事を云うと...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮初にも人の物を貪(むさぼ)らず...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...唯(ただ)独りでブラリと料理茶屋に這入(はいっ)て酒を飲むなぞと云(い)うことは仮初(かりそめ)にもしたことがない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その他は仮初(かりそめ)にも身事家事の私を他人に相談したこともなければ又依頼したこともない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...嫌疑を憚らず左様(そう)いう訳(わ)けで私は若い時から婦人に対して仮初(かりそめ)にも無礼はしない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮初(かりそ)めならぬ人のために終身の謀(はかりごと)だになしやらずして今急に離縁せん事思いも寄らず...
福田英子 「妾の半生涯」
...仮初(かりそめ)なのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...仮初(かりそめ)にも老中の許し状を所持致しておる人間じゃ...
夢野久作 「斬られたさに」
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