...嶮峻(けんしゅん)の隘路(あいろ)に立つものは拳石(こいし)にだも躓(つまず)いて直ぐ千仭(せんじん)の底に墜(お)ちる...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...先生は、千仭の断崖から、どんと下へ突落されたように思った...
海野十三 「火星兵団」
...どうも千仭の谷底へ落ちているとは思われない...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...それこそ下を見れば眼の廻るような暗い千仭の谷底に...
田中英光 「箱根の山」
...テチスは晃燿のウーリュンポスを辭し去りて波千仭の底深く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...(三)英才雲と群がれる世も千仭の鳳高く翔くる雲井の伴やたそ東新野の夏の草南瀘水の秋の波戎馬關山いくとせか風塵暗きたゞなかにたてしいさをの數いかに...
土井晩翠 「天地有情」
...眺むれば「萬古の霄の一羽毛」千仭翔くる鳳の影...
土井晩翠 「天地有情」
...漢学では亀谷行蔵氏川崎魯輔氏が大助教塩谷修輔氏岡千仭氏が中助教...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...江戸時代とまたその以前からの伝説を継承した東京市中各処の地名には少しく低い土地には千仭(せんじん)の幽谷を見るように地獄谷(じごくだに)(麹町にあり)千日谷(せんにちだに)(四谷鮫ヶ橋にあり)我善坊(がぜんぼう)ヶ谷(だに)(麻布にあり)なぞいう名がつけられ...
永井荷風 「日和下駄」
...江戸時代とまた其の以前からの伝説を継承した東京市中各処の地名には少しく低い土地には千仭(せんじん)の幽谷を見るやうに地獄谷(ぢごくだに)(麹町にあり)千日谷(せんにちだに)(四谷鮫ヶ橋に在り)我善坊(がぜんばう)ヶ谷(だに)(麻布に在り)なぞいふ名がつけられ...
永井荷風 「水 附渡船」
...九仭(きゅうじん)の功ということになり兼ねないと思われる...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...近く脚下を俯瞰すれば、深きこと幾百仭...
長塚節 「草津行」
...高さ数仭に達する常緑の大喬木である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...下り舟岩に松ありつゝじあり或は千仭の山峰雲間に突出して翠鬟鏡影に映じ或は一道の飛流銀漢より瀉ぎて白竜樹間に躍る...
正岡子規 「かけはしの記」
...直上数千仭(じん)...
南方熊楠 「十二支考」
...これでまず九仭(きゅうじん)の功(こう)も一簣(いっき)に欠いてしもうたわ...
吉川英治 「私本太平記」
...千仭(じん)の谷間(たにま)へ落ちていった竹童が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...すぐ千仭(せんじん)の谷底へ通じているのではあるまいか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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