...バケツの錆(さび)に似た代赭色をしている...
芥川龍之介 「少年」
...かつまたこの代赭色の海を青い海に変えようとするのは所詮(しょせん)徒労(とろう)に畢(おわ)るだけである...
芥川龍之介 「少年」
...すると現実とは代赭色の海か...
芥川龍之介 「少年」
...變化に乏しかつた代赭色の土は美しい黄や紅や紫を含んで居りました...
江南文三 「佐渡が島から」
...彩色と云っても絵具は雌黄(しおう)に藍墨(あいずみ)に代赭(たいしゃ)くらいよりしかなかったが...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...代赭色の火山礫に蔽われた急斜面を...
豊島与志雄 「自由人」
...眼の届く限り代赭(たいしゃ)で染めたように日の光を吸っている...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...代赭(たいしゃ)色の大きな口をクワッと開け...
久生十蘭 「地底獣国」
...海岸でバケツの錆に似た代赭色の海を見てきてから繪本の海の色を青く塗らずに代赭色に彩つた少年を描いてゐる...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...八ヶ岳の大きなのびのびとした代赭色(たいしゃいろ)の裾野が漸くその勾配を弛(ゆる)めようとするところに...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...黄と代赭の混濁感が市村の視覺にまじると...
室生犀星 「渚」
...小さい急須の代赭色(たいしゃいろ)の膚(はだえ)にPemphigus(ペンフィグス)という水泡(すいほう)のような...
森鴎外 「カズイスチカ」
...じゃもうみんな出てっちゃったかね」茅野先生は顔を代赭(たいしゃ)色にし...
山本周五郎 「桑の木物語」
...第一また先生の代赭色になった顔や...
山本周五郎 「桑の木物語」
...人の顔もやや薄きと濃きと何(いづ)れも代赭(たいしや)にて色少し変へあり申し候(さふらふ)...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...代赭色(たいしゃいろ)の壁土と皮つきの丸太とで屋根低く建てられてあるそこの家は...
吉川英治 「銀河まつり」
...湯から出てそこ等を窺(のぞ)いてみると座敷から廊下からすべてこの代赭色の鮮かな木の実で充満しているのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...その口から代赭色(たいしゃいろ)の泥水を吐き出していた)こうして立ち直ろうとしていた瞬間に縁側のガラス戸が一枚残らずバタバタと外へ倒れた...
和辻哲郎 「地異印象記」
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