...右に千仞(せんじん)の絶壁の...
泉鏡花 「婦系図」
...俗界の上に立つこと千仞(せんじん)...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...仰(あおい)では千仞(せんじん)の谷を攀登(よじのぼ)るべし...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...右と左は千仞(せんじん)の谷底のやうに深い...
谷崎潤一郎 「Dream Tales」
...一団の火の玉が九仞(きゅうじん)の底に落つるような光景を...
中里介山 「大菩薩峠」
...その籠を我と我が手で切り落して千仞(せんじん)の谷...
中里介山 「大菩薩峠」
...千仞の谷の上を巨大な鳶のように...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...千仞の谷底をのぞく臆病者のやうに上体を前方にのめり出した...
牧野信一 「秋晴れの日」
...千仞(せんじん)の谷底へ落してしまったつまらなさでもあった...
正岡容 「寄席」
...見あぐれば千仞(せんじん)の谷間より木を負うて下り来る樵夫二人三人のそりのそりとものも得言わで汗を滴らすさまいと哀れなり...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...遥かの空に白雲とのみ見つるが上に兀然(こつぜん)として現われ出でたる富士ここからもなお三千仞はあるべしと思うに更にその影を幾許の深さに沈めてささ波にちぢめよせられたるまたなくおかし...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...上神の工(たくみ)が削りなしけん千仞の絶壁...
正岡子規 「花枕」
...千仞(せんじん)の断崖に囲まれたやうな山中の陰気な処にはとても長くは住んで居られない...
正岡子規 「病牀六尺」
...他の一はこの煩(わずら)いはないがその代り見下せば千仞(せんじん)の云々(うんぬん)と形容すべき...
柳田国男 「峠に関する二、三の考察」
...岩は高さ数仞(すうじん)の大岩であった...
柳田国男 「山の人生」
...足もとの大地が九仞(きゅうじん)の底へめりこむような顔をしたのも...
吉川英治 「三国志」
...珠を九仞の深きに投げ棄ててもただ皮相の袋の安き地にあらん事を願う衆人の心は無智のきわみである...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
...荘厳なる華厳の滝万仞の絶壁に立つ時...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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