...他面には又しつきりなしにものを感ずる蘆である...
芥川龍之介 「僻見」
...君が純眞率直で自己を僞れない人であつた他面に...
太宰治 「知らない人」
...この場合は、(B)のいずれの所有者も(A)の1に対して(B)の Apを、すなわち(A)のに対し(B)の1を、与えることを欲しない場合であり、他面からいえば、(A)のいずれの所有者も(B)の1に対し、(A)のを、すなわち(B)の Apに対し(A)の1を、与えようと欲しない場合である...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...だが、こうした矛盾にも拘らず、技術は一面、社会のエレメンタリーな自然発生的な展開に沿って、又他面、この矛盾に充ちた生産関係に特有な一つの必然的な社会的要求に沿って、一応の・且つ跛行的な・発達を遂げつつある点を見逃すべきではない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...他面に於て市井的なのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...又他面の事実として...
戸坂潤 「思想動員論」
...併し又他面に於てそれが何と云っても主観の産物であり而も主観の主観的案出による産物であることに変りはない...
戸坂潤 「辞典」
...直ちに又他面に於ては...
戸坂潤 「読書法」
...自由主義は明治以来の社会常識の基調をなして来ているという他面の事実を忘れてはならない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...他面その時代の共通な特定の歴史的制限をも持っている...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...しかしながら他面において...
波多野精一 「時と永遠」
...他面には本人の窮状を救うことにもなるという浜尾さんの親切からであった...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...他面に於いては、素朴的經驗の對象を心的働きに依屬するもの、即ち意識内容と觀ずる見方を生じた...
増田惟茂 「知的作用と感情と」
...他面事實の否定の意味を有する...
三木清 「歴史哲學」
...当時の権力はまんなかに治安維持法の極端な殺人的操法をあらわに据えて、それで嚇し嚇し、一方では正直に勇敢だった人々を益々強固な抵抗におき、孤立させ、運動を縮みさせ、他面では、すべての平凡な心情を恐怖においたてて、根本は治安維持法に対するその恐怖心を、所謂指導者やその理論批判に集中表現させることで、進歩的戦列を崩壊させる手段としたのであった...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...それは、ヨーロッパにおいてのフランスが、封建時代からより進んだ文化をもちつづけて今日に到ったからでもあるが、他面には、パリというものがもちつづけたその伝統的な地位によって、おのずから文化において世界最大の取引市場の一つとなっていることからも来ている...
宮本百合子 「木の芽だち」
...他面にその生れ出ずることの困難性を語ってもいるわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...他面においてイエス崇拝がバラバの犠牲の祭儀に酷似(こくじ)していたゆえであると考えざるを得ない...
和辻哲郎 「孔子」
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