...他面には又しつきりなしにものを感ずる蘆である...
芥川龍之介 「僻見」
...他面においては上述の多年の偸安(とうあん)的な習性が災いしているのではないかと考えられる...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...また他面には多くの滑稽本(こっけいぼん)...
石原純 「平賀源内」
...一面には草創の時代に屬すると同時に他面には社會状態が安定を失つて居る爲に...
橘樸 「支那を識るの途」
...彼らのこういう生活の展開は、一面では、封建制度や武士の権力の下において行われたのであるが、他面では、この制度や権力が彼らの生活をおさえつけ彼らの力を伸ばさせないようにするはたらきをもっていたので、彼ら民衆のはたらきはおのずからそれらに反抗する精神をもつことになった...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...他面悲哀厭世の特質を看過するを得べきか...
綱島梁川 「国民性と文学」
...この場合は、(B)のいずれの所有者も(A)の1に対して(B)の Apを、すなわち(A)のに対し(B)の1を、与えることを欲しない場合であり、他面からいえば、(A)のいずれの所有者も(B)の1に対し、(A)のを、すなわち(B)の Apに対し(A)の1を、与えようと欲しない場合である...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...他面に於て之を促進する原因であるものは...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...併し又他面に於てそれが何と云っても主観の産物であり而も主観の主観的案出による産物であることに変りはない...
戸坂潤 「辞典」
...昔は公(こう)でも私(し)でも何でも皆孝で押し通したものであるが今は一面に孝があれば他面に不孝があるものとしてやって行く...
夏目漱石 「教育と文芸」
...だが、他面、好都合でもあった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...法律には、もっとも私は読んだことはありませんが、もちろん一面では、罪のないものは無罪とされる、と書いてあるが、他面、裁判官は手を使えば動かせる、とは書いてないでしょう...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...人間と思想の問題を他面から追求してみたいと考えている...
火野葦平 「花と龍」
...ヴントなどは一面かう云ふ見方をし乍ら他面に於いては統覺の根柢に感情を見て居る...
増田惟茂 「知的作用と感情と」
...そのものは僞善が虚榮にほかならぬことを他面から明瞭にするのである...
三木清 「人生論ノート」
...然し他面に於て存在は事實の否定である...
三木清 「歴史哲學」
...然しまた他面客體的存在によつて規定されてゐるのである...
三木清 「歴史哲學」
...他面において民衆と結びつく努力は怠っていない...
和辻哲郎 「鎖国」
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