...予は聊(いささ)か密々に御意(ぎょい)得たい仔細(しさい)がある...
芥川龍之介 「邪宗門」
...仔細らしく首を傾けた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...よくよくの仔細あっての山住いと睨んだが...
田中貢太郎 「轆轤首」
...どうも仔鳶が育ったものらしい...
豊島与志雄 「自由人」
...私はその一枚をぬき取って仔細に眺めた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...唯仔細(しさい)に研究し来(きた)って今と昔との間にやや差異のあるが如く思われるのは...
永井荷風 「向嶋」
...耳に仔細らしく矢立の筆をはさみ...
中里介山 「大菩薩峠」
...可愛らしい仔雀の羽をひろげた...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...絽の羽織、博多(はかた)の帶、越後上布(ゑちごじやうふ)の單衣(ひとへ)、――どう見ても丁稚(でつち)や手代の風俗ではありませんが、仔細あつて、横山町の遠州屋の主人はツイ先頃非業(ひごふ)の死を途げ、跡取(あとと)りはまだほんの子供だといふ話を聞いて居たのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まだ生れて間もないようなちいちゃな仔犬が...
北條民雄 「可愛いポール」
...今仔細に両者を比較するときは...
穂積陳重 「法窓夜話」
...これも亦仔細のありさうな事である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...杉永を斬ったのは事実だがそれには仔細(しさい)がある...
山本周五郎 「失蝶記」
...坊は熊の仔が欲しいか」「雪が降ってるね」「冬になると...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...たッた今愛宕(あたご)通りを左へ曲がって行ったということが仔細に分った...
吉川英治 「剣難女難」
...名のって仔細はあるまいと思う」小文治(こぶんじ)も同意(どうい)した...
吉川英治 「神州天馬侠」
...この秀吉に辛(つら)く当っておられるか――その仔細をお打明けする約束でしたな」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...仔細(しさい)はこのお召状の内にありますからご一見の上で」関勝(かんしょう)はそれを読んで感激にふるえた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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