...」奴(やっこ)は何の仔細(しさい)も知らず...
泉鏡花 「海異記」
...そして改めて丸く壊れた窓硝子を端(はし)の方から仔細(しさい)に調べて見ました...
海野十三 「崩れる鬼影」
...獣の仔の乳をもとめる声のやうにきこえる...
中勘助 「銀の匙」
...仔細(しさい)に観察し来(きた)ればそれら幾種類の水――即ち流れ動く水と淀(よど)んで動かぬ死したる水とを有する頗(すこぶる)変化に富んだ都会である...
永井荷風 「日和下駄」
...「これには深い仔細(しさい)のあることでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...その仔細はこうである...
中里介山 「大菩薩峠」
...文字の精は野鼠(のねずみ)のように仔(こ)を産んで殖(ふ)える...
中島敦 「文字禍」
...仔牛(こうし)のぶちの背中(せなか)をなでていました...
新美南吉 「花のき村と盗人たち」
...何んの仔細(しさい)もありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「いい仔犬だろ!」とノズドゥリョフは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...仔細(しさい)を知る者無し...
柳田国男 「山の人生」
...絵を描(か)く道具をスッカリ持ち出していらっしゃる様子……これには何か深い仔細(わけ)がある事と思いながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...これには何か仔細(わけ)が在りそうだ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...そして無礼極まる態度をもって、「仔細これあり、今日、魏公曹操のお旨により、皇后の璽綬(じじゅ)を奪(と)り収めらる...
吉川英治 「三国志」
...仔細に備えて国の破れを招かぬように努めよ」姜維(きょうい)が涙にのみ暮れていると...
吉川英治 「三国志」
...一刻(こく)も早くあのお方(かた)を」「咲耶子(さくやこ)さまをお救(すく)い申しに」「竹童さまもまいられませ」「力をそえてくださいませ」「仔細(しさい)はあと――」「かなたをさきに」群(む)れをくずして走ってゆきながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...深い仔細があるような気がするので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...仔羊たちが、ごくごく乳を吸っている間、おっ母(か)さん連は、脇腹(わきばら)を鼻の頭で激しく小突(こづ)かれながら、安らかに、素知(そし)らぬ顔で、口を動かしている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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