...また仏眼寺(ぶつげんじ)の仁照阿闍梨(にんしょうあざり)を日毎に凌(りょう)じに参ったのも...
芥川龍之介 「邪宗門」
...あれが仏眼(ぶつがん)というものでございますな...
中里介山 「大菩薩峠」
...いったい、遊行上人に食ってかかろうというお前の了簡方(りょうけんかた)がわからねえ、ほかに仕事がねえじゃあるめえし」「それにゃ兄貴、仔細(わけ)があるんだ、あの坊さんに意趣も遺恨もあるわけじゃあねえが、頼まれたことが一つあるんだ、それは名前は言わねえが、ほかの宗旨の奴から頼まれたというのは、これがんりき、貴様も忍びと盗人(ぬすっと)にかけちゃかなりの腕だそうだが、どうだ一番、遊行上人のものを盗んでみろと、こういうのだ」「なるほど」「遊行上人であろうとも、弘法大師であろうとも、盗もうと思ったらきっと盗むと、まあこんなふうに啖呵(たんか)を切ってみたものよ」「なるほど」「ところがその頼んだ奴の言うことには、がんりき、そう易く言うが、この相手はちいーと違うぞ、なんしろそれ、仏眼(ぶつがん)とやら神通力(じんずうりき)とやらで、人の心をちゃあんと見抜いてしまう坊さんだから、いくらお前が忍びや盗人が上手でも、うっかり傍へも寄れめえとこう言うんだ」「なるほど」「そう言われるとこっちも癪(しゃく)だあな、よし、向うが仏眼なら、こっちもがんりきだ、一番その遊行上人とやらを遣付(やっつ)けましょうと、こう両肌(もろはだ)を脱いじまった」「なるほど」「よし、お前がその意地なら腕に撚(よ)りをかけてやってみろ、幸い、あの遊行上人は、天竺(てんじく)から来たという黄金(きん)の曼陀羅(まんだら)の香盒(こうごう)というものを持っている、それをしじゅう懐中(ふところ)へ入れているからそれを盗んでみろと、こう言うのだ」「なるほど」「ようがす、その香盒とやらの形はどんなものだと聞くと、直径(さしわたし)三寸ぐらいの丸い小(ちっ)ぽけなもので、黄金(きん)で出来ていて、曼陀羅とかお題目とか、むずかしいものが彫ってあるんだそうだ」「なるほど」「そこでまあ意地と二人で、よしと請合(うけあ)って来てみるとあの始末だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...いずれも仏眼もて観(み)れば仏国のジル・ド・レッツが多数の小児を犯姦致死して他の至苦を以て自分の最楽と做(な)したに異ならぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...墓は荒町(あらまち)の仏眼寺(ぶつげんじ)にある...
森鴎外 「椙原品」
...二然らば奥州話にある仏眼寺の墓の主(ぬし)は何人(なんぴと)かと云ふに...
森鴎外 「椙原品」
...仏眼寺の品が墓へは...
森鴎外 「椙原品」
...仏眼金輪(ぶつげんこんりん)五壇ノ法とか...
吉川英治 「私本太平記」
...この銀閣寺下の仏眼寺の門前へかかるまでには...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そうして明らかな仏眼は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??