...「あの小柄な檀那衆はいつも今時分此辺(こゝいら)を(ぶらつ)いてるな...
薄田泣菫 「茶話」
...「だが今時分は己の女房がそいつをすっかり握ってるのだ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...大抵なら今時分は暖かく床に眠つてゐる頃なのに...
田山録弥 「脱却の工夫」
...そこでは今時分はもはや麥は刈られて...
田山花袋 「道綱の母」
...いつも夜の今時分からでないと家(うち)にいいしまへんもんどすさかい」と...
近松秋江 「霜凍る宵」
...(今時分、うろうろしていて、見廻りにでも怪しまれたら大変だ)と、思って、暗い、軒下へ入って(その内、大騒ぎとなりゃ、それにまぎれて逃出しゃいい)手も、足も凍えてきた...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...(今時分まで、何うして、この老女だけが起きているのか? 祈祷の係ともちがうのに)梅野は、上座へ坐って、静かに「何しに、今時、庭へおじゃった?」深雪が、顔を上げると、拝領物を飾る棚、重豪公の手らしい、横文字を書いた色紙、金紋の手箪笥、琴などが、綺麗に陳(なら)んでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...「今時分、思い出したように神尾の御前がお出ましになるのはどうしたものだろう、御前は甲府お勝手へお廻りになったと聞いたが……」表向(うわべ)は鄭重(ていちょう)に迎えたこの茶屋の内儀が、二人を案内したあとで眉をひそめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...本来この女が今時分...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほどなく権堂(ごんどう)の町へ入るには入ったが、どことて今時分、起きている気紛れはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...今時分には珍らしい紋付の羽織袴...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「惡い陽氣だ――今時分から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「悪い陽気だ――今時分から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ今時分(いまじぶん)は宜(い)いけれど...
樋口一葉 「たけくらべ」
...今時分薄志の不良青年となり...
正岡容 「わが寄席青春録」
...「今時分は奈良も京都も寒くつて駄目だらうな...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...あいつらは今時分安心して寝てゐるだらう...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...今時分どこへ往くのだと聞かれた時...
森鴎外 「雁」
便利!手書き漢字入力検索