...皐月も半ばを過ぎた今日この頃...
薄田泣菫 「森の声」
...俯向(うつむ)き加減に首をチョコチョコ振りながら歩く今日この頃のリリーを見ると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...雑木山の今日この頃は美しい...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...今日この頃も、いろいろ心配はあるが、あの時に比べれば、頼るべき人と、宿るべきところに事を欠かないだけが、せめてものましというものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日この頃は時候のせいか...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日この頃は、京洛の天地に入ることの容易ならぬ危険性を帯びていることは、この二人も知らぬはずはあるまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...これから人間をこしらえなければならぬ、その父となり、母となり、兄となり、姉となり、師となり、友となる一切の責任が、自分一つの身にかかっているということを、与八は常に、切々(せつせつ)と責められているのですが、今日この頃、この地へ落着いてみると、その責任が全く確実性を帯びて来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...うき世を切り髮の今日この頃...
樋口一葉 「花ごもり」
...今日この頃は送りこしたる写真をさへ見るに物うく...
樋口一葉 「ゆく雲」
...あせッて(もが)いて極大(ごくだい)苦悩を甞(な)めている今日この頃...
二葉亭四迷 「浮雲」
...遂(つい)に今日この頃のこの有様となった……今の家内の有様を見れば...
二葉亭四迷 「浮雲」
...いよいよ春の競馬季節も目睫に迫つた今日この頃に至つた折から焦眉の会議を開いてゐるのに相違なかつた...
牧野信一 「沼辺より」
...でんすけ賭博とやらが堂々と横行している今日この頃もまたバカントラ第二世は颯爽(さっそう)と都下の高座へ君臨して...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...世も末になった今日この頃...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まさか丸一年も経った今日この頃まで...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...異常なことが日常のありふれた事に尽く見えてしまっている今日この頃の心情は...
横光利一 「夜の靴」
...今日この頃の雨期を待っていたものらしく...
吉川英治 「新書太閤記」
...今日この頃のような...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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